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文化祭前日、いつも通りの電車に乗って1つ前の駅で降りる。
そして近くの神社に足を運んだ。
「…いい香り」
秋になるとこの神社は金木犀の香りに包まれる。
私の大好きな香り。
神社の中に入って文化祭がうまくいきますようにと願掛けをして学校まで歩く。
「おはよー」
「あれ?A今日は少し遅かったね?」
「ちょっと寄りたいとこあって」
「寄りたいとこ?」
「うん」
後ろには、放課後みんなで作った装飾品がロッカーの上に並んでいる。
きっと、大丈夫。
「おはよーさん」
「おー、康二おはよう」
凛と話していると登校してきた康二くん。
「…ん?」
康二くんが私の首元に顔を近づけてスンッと息を吸う。
「なんか、めっちゃええ匂いするな」
突然の行動に体が固まってしまって動かない。
どっかで嗅いだことある匂いなんやけどなぁ、と考え込みながら再び首元に鼻を近づける康二くんとまだ固まったままの私。
それを見て笑う凛といつの間にか登校してきた麗奈。
「康二、なんか犬みたいだよ?」
「え!あ!ごめんな!」
「い、いや、あの、ダイジョブデス」
「あ、なんか付いてる」
康二くんの手が私の髪に触れる。
ああ、やばい。
熱が出そう。
ていうか多分もう出てるかも。
「…花?」
「…ん?あ、金木犀だ」
「金木犀?」
「今朝、学校に来る前に金木犀がたくさんある神社に行ったの。明日の文化祭うまくいきますようにって」
その時に舞い落ちた花をつけてきちゃったんだ。
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年10月4日 6時