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今日も1番に教室に着く。
席に座って本を開いた。
この時間がたまらなく好き。
本の世界に入り込めるから。
だけど時間が経つにつれ騒がしくなる廊下。
クラスメイトが友達同士で楽しそうに笑っている。
誰も、私に挨拶する人なんていない。
「はあ…」
思わず小さくため息が出て誤魔化すように息を吸う。
チラリと周りを見るけど私のため息なんて気にしてる人はいなさそう。
誤魔化す必要、なかったか。
「みんなおはよーう」
担任の阿部先生が入ってきてみんなゾロゾロと席に着きはじめる。
「今日はちょっとみんなに言わなきゃいけないことがあって」
ポンッと両手を合わせて首を傾げる先生。
「家庭の事情で転校してきた生徒がこのクラスに来ます。みんないろいろこの学校のこととか教えてあげてください」
ということでどうぞ〜と先生が言うと教室に入ってきたのは世にいう犬系のイケメン男子。
細身でスタイルがよくてちょっと尖らせた唇にキリッとした目。
阿部先生の隣に立つとすぅっと深く息を吸い込んだ。
「どうも!みんなの万能調味料こと塩麹よりも向井康二です!」
何この人。
すごく眩しい。
まるで太陽のような人。
「関西から来ました〜。みんなよろしゅうお願いしますぅ」
私はなぜか彼に惹き付けられていてしばらく目が離せなかった。
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作者名:涼-suzu- | 作成日時:2021年10月4日 6時