【呪術廻戦】高専肉食系男子多い説を男子が証明しようと思います

肉食系×参拾伍 ページ36

「恵！！」


目の前に落ちてきたのは、ひとりの男。

葛葉A。


生きていたことに内心安堵を感じながらも、何故遠くに行ったと声を荒らげようとしたその時。

ぶわりと殺気が充満した。


息苦しい。指一本どころか視線も動かせない。足元では何かが蠢いているような気配まで感じる。


隣に銃を構えながら立ったAの唇から、血が流れてくる

その唇が動くと共に、口から出たのはひとつの言葉


「ごめんね。恵。」


口元に手を添え、喉の奥でクツリと嗤った宿儺が、瞬く間に俺とAの隣に立った


避けたいのに、動くことが許されない。


「そう脅えるな。今は機嫌がいい。少し話そう」


宿儺がヘラヘラと口を開き、話を始めた。

Aと似てるが、悪意の量の違う余裕。


隣のAは静かに銃を戻して、制服の襟に口元を埋めた


「なんの縛りもなく俺を利用したツケだな

俺と代わるのに少々手こずっている様だ。

しかしまあそれも時間の問題だろ

そこで俺に今できることを考えた。」


目の前の宿儺に、常識なんてものは通用しない。

宿儺どうこうの話ではない。呪いに常識なんてほぼ通用しないんだろう。


それを真っ当に証明しているのが、目の前の宿儺が起こした、ありえない行動

ドスッ。

自分の心臓に、自分で手を突き刺す。


否、虎杖の心臓に、宿儺が手を突き刺した。


「なっ」

「……。」


1歩を踏み出しそうになっているAを抑えながら、宿儺が心臓を取り出すのから目を離さずにいられなかった。


「虎杖を人質にする。俺は心臓なしでも生きていられるがな、虎杖はそうもいかん。」


取り出した虎杖の心臓が、力強く脈打つ


「俺と代わることは死を意味する。更に駄目押しだ」


宿儺の指を取り出した宿儺が、それを飲み込む


特級が取り込んでいたのか！！


「さてと、晴れて自由の身だ

　 殺す

特に理由はない」

「…あの時と立場が逆転したな」


隣には、まだ術式も呪術も呪力の操り方も未熟のA。

明確な実力なんかは分からないが、失うぐらいなら


手を、慣れたように組み合わせて、小さく呟いた。


「蝦蟇」


.


Aの背後に現れたのは、3匹の蛙


「…マジ？」


瞬間。蛙の舌が瞬く間に伸び、Aの両手首、片足に絡まる。


一瞬。たったの一瞬視線を絡ませられた手首に移した時

とすり。首裏に入る、ひとつの手刀。


手を開き、立ったままAの視界は暗転した

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