Street Blues (ページ39)

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「あれって・・・
デートのお誘いやったん？」
　

その時は何にも思えへんかったけど、
どういう意味やってんやろって、
後からめっちゃ謎やってんな。

「当たり前や。
なんと思っててんな？」

章大が苦笑いしてる。

その顔も好き。

「うーん、何とも。
後から不思議になってきてた。
いっつも私から誘ってて、
章大から誘われたこと、
そう言えばなかったなあって・・・」

「好きな子、誘うて。
結構なハードルやで？」

照れくさそうに言うて。

少しだけ唇、かんで。

ちょっと視線を外す。

計算されたみたいにかっこいい表情。

車は角を曲がってく。

もう、私の方が、
章大に夢中になっちゃってる。

どうしよう・・・

どんどん好きになって。

少しそれが怖い。

章大は慣れてるみたいやし。

私のこと、呆れたりせえへんかな。

好きになったら、

同時に不安な気持ちが溢れてくる。

「こっちで合うてる？」

車が住宅街に入ってく。

「うん。
すごい田舎もんやねん」

章大は尼崎やねんて。

大阪行く途中で通り過ぎるだけで、
行ったことないけど、
大阪のすぐ近くやし、
うちの会社にも割と近い。

やから私よりはかなり都会育ちやと思う。

家に帰って、
うまく両親に嘘つけるかなって。

そのことが急に心配になってきた。

もし二人でいるところ見られたら・・・

「もうここでいいよ」

公園の前で停めてもらう。

「なんで？危ないやん。
家の前まで行くで？」

不思議そうに聞く章大に。

「家の前、道が狭いねん。
どんつき、行き止まりやし。
Uターン出来ひんから」

「分かった。
やったら家着いたら、
絶対に電話かけて？
心配やから」

それ以上は追求されずにほっとした。