Street Blues (ページ3)

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その週明けから、

新しいプロジェクトが始まって。

櫻井リーダーのために、
Aはマーケティングと資料作成を自らかって出た。

もう２週間も、毎日残業して、
資料をまとめてる。

金曜の夜、２０時。

みんなはとっくに帰ったのに、
俺とAは二人きりで今日も変わらず残業中。

「章大はもういいよ？
私が勝手に引き受けてんし」

「ええって。
一人やったら、朝まで終われへんと思うで？」

明日の休日出勤の時の会議までに、
揃えてくれたら嬉しいな、て。

櫻井リーダーは言うてた。

絶対にとは、言われてないのに。

ええとこ見せて、
好きになって欲しい可愛い女心。

櫻井リーダーへの気持ちのうちの、
ほんの少しでええから。

俺にも向けてくれたらええのに。

こうしてそばにおれば、
いつか俺にもチャンス回ってくるかな。

それとも・・・

本気で好きなら、
Aの恋を応援してやらなあかんのかな。

心の中で俺がこんなに葛藤してるて、
お前は思いもよらんやろ？

「章大ってほんまに優しい。
おかげでめっちゃ早く終わったやん。
終電も間に合いそう」

パソコンの電源落としたAが、
隣の席の俺を見て、にこって笑った。

たったそれだけやのに。

ああ、この笑顔がほんまに好きやなあって思った。