アイツが嫌いなハズなのに。［仁王雅治］

11-1 ページ33

その時、仁王が言った。

「…Aは……嫌いじゃき…。……ﾅﾘ。」

途切れ途切れに聞こえたそれは、私の胸に深く刺さった。
あぁ、やっぱり…しょせんはペテン師だもん｡
私との時間も…


どうせ






お遊び




にすぎない。



なに上手くいくかもとか、思ってたんだろ…。
嫌いな人だったのに。

カタン

そのとき、ショックで壁に寄りかかろうとすると、ドアに手があたり音がなってしまった。

慌てて身を引くが、二人は気づいたらしく、丸井君が

「誰かいんの？」

と聞いてきた。

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