8.しんじつ。 ページ23
「これが、その子がくれたコイン」
私は、ポケットからコインを取り出すと、
皆の前に出した。
「仁王先輩の…」
やっぱり、同じやつなのかな。
皆と一緒にいると、なぜか素直になれた。
「仁王が…あの子なのかな…」
その時、初めてアイツ…
仁王の名前
を呼んだ気がした。
皆も、その一言に驚いていた。
…仁王雅治、嫌いななハズなのに
少しだけ好きになった気がした。
「雨宮、最初から知っていたんじゃないか?
…同一人物だと言うことを」
その言葉に、ドクンと心臓が高鳴る。
知ってた…?私が?
「きっと、幼い頃の八宮にとって
仁王との別れは衝撃的で、
ショックなものだったんだろう。
だから、仁王に会った時に
同一人物だと分かっていたが、
もうショックを受けたくないと
勝手に脳が、嫌いな人物に作り上げたんだ」
私は、柳君の話を静かに聞いた。
もう全部受け止めようと、
そう思ったからだ。比呂士も口を開く。
「私も聞いたことがあります。
記憶喪失になる理由の一つに、
ショックをやわらげるためだとか…」
「嫌よ嫌よも好きのうち、って言うからなぁ」
丸井君が、そう呟きながらガムを膨らませた。
皆の言ってた通りかもしれない。
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幸絵(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。完結まで書いてくださりありがとうございます。もしできたらでいいので続編など書いていただけたらすごく嬉しいです!とりあえず、お疲れ様でした<(_ _)> (2022年7月19日 7時) (レス) @page39 id: 23b9936184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流星群 | 作成日時:2021年1月9日 16時