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「先輩…大丈夫ッスか」

隣で切原君がそう言った。
なぜそう言ったのか、それは自分自身で
分かっていた。アイツが来た瞬間に、
吐き気が襲ってきた。真っ青になりながら、
必死で吐くのをおさえる。

「おまんさん……」

アイツがそう呟きながら、近づいて来た。
私は口に手を当てて、もう片方の手を前に出す。

「来ないで!!!!」

その瞬間、ピタッとアイツの動きが止まった。
アイツは、少し悲しそうな顔をした。
何よ、その顔。やめてよ…
あの子と同じ顔しないでよ。

「すまんの…


俺はここに来なかった方が
良かったようじゃき」

少しうつむいて、そう言った。
表情は髪の影で分からなかったが、声から悲しげなのは分かった。
アイツはそう言うと、パタリと屋上から出て行った。皆がシーンとしている中、
最初に口を開いたのは切原君だった。





「先輩…泣いてる」

その声にハッと意識が戻る。
頬に生温い感覚があり、
涙が流れたんだと分かった。

「え?」

「やはり…何かあったのでは無いか?」

柳君がそう言った。
私は、手の甲で涙を拭おうとするが、
比呂士に止められ、ハンカチを渡された。

「少しでも、力になりたいんだ。
昨日会ったばっかりだけど、本当は柳生や仁王から話を聞いていてね。
何があったのか、教えてくれないかい?」

幸村君に言われて、私は座りながら皆に話した。

「これとは、関係ないかも知れないけどね……」

そう言って私は、幼い頃にあった出会いと別れ、アイツがあの子とよく似ていることを話した。全員が笑うことなく、真剣に聞いてくれた。

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幸絵(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。完結まで書いてくださりありがとうございます。もしできたらでいいので続編など書いていただけたらすごく嬉しいです!とりあえず、お疲れ様でした<(_ _)> (2022年7月19日 7時) (レス) @page39 id: 23b9936184 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:流星群 | 作成日時:2021年1月9日 16時

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