4.コイン。 ページ12
その日の午後、昔あった出来事を思い出した。
これまた随分と昔のことを思い出したものだ。
私はそう思いながら、授業にまた集中した。
そういえば、あの手紙今も残ってるかな?
家にあるかな…。
無かったら、きっと祖母の家だろう。
その日の夜。私は屋根裏部屋に登り、 幼いときの物を取り出した。
その中に一つの箱があり、中に手紙とコインが入っていた。あ、まだ持ってた。
私は手紙を読み返した後、コインを持った。
「まだ出来るかなぁ」
ピンッと指先で弾くと、コインは宙に舞い、
クルクルと回りながら落ちてきた。
両手でキャッチすると、ゆっくりと片手を退ける。よく、やってたなぁ…。
せっかくだし、お守りにしよ。
私はそう思って、コインをポケットにしまった。
次の日の朝、学校の門の前で抜き打ちの持ち物検査が行われていた。
私はスルッと比呂士の前に行き、かばんを出す。
「おや…」
私の顔を見て、貴女でしたかと苦笑した。
私は毎回比呂士のところで検査を受けている。
何かあった時に見逃してもらうためだ。
机の上にバッグを置き、中を調べる。
「…はい、大丈夫です。
もう行って構いませんよ」
ニコッと、笑い比呂士はカバンを返してくれた。ありがとうと伝えて、私は昇降口に行こうと足を進めるが、
隣で検査を受けていた丸井君から、不満げな声が聞こえてきた。
「頼むよ、海斗〜!!今回だけ!!
な?見逃してくれよぃ(´;ω;`)」
どうやら、丸井君はお菓子を持っているらしく、没収されそうなところだった。
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幸絵(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。完結まで書いてくださりありがとうございます。もしできたらでいいので続編など書いていただけたらすごく嬉しいです!とりあえず、お疲れ様でした<(_ _)> (2022年7月19日 7時) (レス) @page39 id: 23b9936184 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:流星群 | 作成日時:2021年1月9日 16時