【学園アリス】星降る夜に

第21回 ページ24

翼「いつ帰ってきたんだよ」



あたしと美咲の少し前を歩く翼は、振り返らずに言った。


その口調はぶっきらぼうだけど優しい。

心配性は変わってないみたいだね。



A「学園に来たのは昨日だよ」


正確には昨日のお昼すぎくらいだけど。



美「昨日は何してたん？」


A「手続きとか三校長に挨拶とか」


美「Aは気に入られてるからなぁ」


美咲は隣で苦笑いを浮かべてる。


気に入られたくない奴が一人いるけどね。ほんと遠慮しとく。









少しの間。






翼が振り返る。

どこか複雑そうな表情をして。






秋風があたし達の髪をなびかせる。






翼「…任務の方は？」



本当に聞きたかったのはこれか。



教室じゃ話せないもんね。

表向きは留学ってなってるし。




今、あたし達は特力のクラスに向かっていて周りに人はいない。




今週から授業は２時間目までで、その後は能力別でアリス祭の準備らしい。

っていうのをHRで担任が言っていた。



ちなみにあたしの能力別クラスはもちろん特力。


それは３年前と変わっていない。




A「終わったよ。だからあたしは今ここにいる」


美「そっか。よかったよ」


安堵する美咲に比べて翼は納得いかないって顔。

この頑固野郎。


A「そ！れ！に！裏の任務ってわけじゃなかったんだからさ、ね？」


説得するように強調して言うと、翼はわかりやすくため息をついた。


翼「へーへー」


まったく翼は気にしすぎなんだよね、いつも。



A「まぁ、後でゆっくり話すよ。あたしも聞きたいこと色々あるし」


左目の下をトントンと叩くと翼の顔が盛大に引きつった。


翼のそこにあるのは星印。きっと罰則印だよね。


まったく何をやらかしたんだか。

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