2話『ともだち』(上) ページ6
ハイカラスクエアに引っ越して3日ほど経つ。レイはものすごく僅かな期間の中でミカと知り合った。
今日はミカの買い物に付き合うことになったが、これは妙だ。
「…デートみたいじゃねえか」
レイは頬を赤くさせ、鏡の前で服装のチェックをしている自分の事を恥ずかしがった。
そんなことはない、と首を横に振って心を落ち着かせる。
「あ、前のチームで3人で作ったブレスレット…つけて行こうかな」
レイはハイカラシティーにいた頃に、一緒にナワバリバトルをするためのチームを作った。
そのメンバーはユア、ラン、レイの3人。レイ以外は女の子だった。
元から女の子の友達が多いレイは、女の子の扱いを小さい頃から覚えた。
幼馴染の3人は、チームを結成した1ヶ月後に同じ色のブレスレットを作った。
そのブレスレットには3人のイニシャルが書かれていた。
レイは2人とチームを解散した後もそのブレスレットを大切に保管していた。
「なんか手作り感あって好きなんだよな」
右腕にブレスレットを付けたレイはさっそく家を出た。
ミカ「あ、やっほー!早いね!」
「別に、さっき来たばかりだし」
少し緊張しながらレイはミカに挨拶をした。
「…って…ミカ…お前スカート履くんだな」
ミカ「えっ、履いちゃダメなの?」
「…いや、そういうわけじゃなくてな…!」
ミカの私服はバトルしてる時と違って女の子らしくなっていた。膝上のスカート、全体的に春を感じさせる色合いだ。
「…似合ってる」
ミカ「え!本当…!?嬉しいな!」
つい本音が出てしまったレイは慌てて口をふさぐ。
ミカ「本当はあたし、男の子にお友達がいなかったからそう言われるのなんか嬉しくて…笑」
ミカは少し照れながら笑う。
「…ま、まあそれはいいから!買い物ってなに買うんだよ」
ミカ「んー、別に決めてない!」
「…えっ?」
ミカ「だって、レイくんはここに来たばっかりだったら案内とかしてあげないとなって思ってね〜」
「…そう、なのか…?」
ミカ「うん!じゃあさっそくツアーをしよー!」
ミカは元気よく跳ねた。
レイは呆れながらも笑顔を見せた。
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年6月17日 7時