11話『消える火の花』(中) ページ43
コハク「私、聞こえてきましたよ。「かっこいい」って。レインさんはかっこいいんですよ」
レイ「…な、そんなことねえよ…そもそも、それは俺に言ったとは限らないし」
コハク「言いましたよちゃんと」
レイはコハクの圧に少し驚いた。
コハク「…あな__は____ですね」
レイ「…え?何か言ったか?」
圧倒されてたレイはしばらくポカーンとしていて、コハクの一言が聞き取れなかった。
コハク「なんでもないです笑まあ、とりあえず言いたいのは別にレインさんは怖くないってことですよ…?」
レイ「そ、そうか…それならまあ…いっか」
しばらくレイとコハクの間に沈黙が流れる。
コハク「…レインさん」
レイ「ん?」
コハク「私…貴方のこと…」
レイ「どうした?」
コハクの心拍数が一気に上がる。
コハク「……す」
レイ「す?」
コハク「……す…」
レイ「…うん?」
コハク「……すごく可愛いと思いますよ!?」
レイ「…えっ?笑」
コハクは真っ赤な顔でレイを見る。
レイ「俺が可愛い?さっきまで「かっこいい」って言ってくれたのにか??」
コハク「ち、ちが…私が言いたいのは…」
レイはコハクの方をじっと見ている。コハクは話しているを逸らそうと別の話題を考えた。
コハク「さ、さっき射的屋の人に勘違い…されてたので気にならないのかなって…」
レイ「あ、あぁ…それは…」
レイは恥ずかしそうに頭をかく。
レイ「…まあ俺がさっきした行動はそういう風に見えただろうなー…笑 いた仕方ないな」
コハク「そういうものですかね…?」
レイ「だってさ、女が欲しいものを男が取ってやるってのはカップルがすることと同じだぜ?」
コハク「なっ…!?」
レイ「…あっ…もしかしてコハクはそういう恋愛いじりが苦手だったか…?俺は幼馴染が皆女だったからいじられすぎて慣れてるけど」
コハク「あ…いや…大丈夫ですよ…!」
レイ「そっか笑」
イカが多い通りを1列になって歩いていく。時々足がもつれて転びそうになる時もあるが、まだ立ち直ることができた。
コハクはレイの背中を追いかけながら、何度が背中に触れようと手を伸ばした。でもその勇気はなく、寸前でやめてしまう。
コハクはため息をついた。
レイ「…あっ!」
レイは何かに気付いたように声を出した。
レイ「コハク!あそこにリトがいる!」
レイはちょうど背中に手を伸ばそうとしていたコハクの手を夢中になって取って、走り出した。
コハク「えっ…!?」
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年6月17日 7時