11話『消える火の花』(中) ページ42
最後の5弾目。目標のわずか上を当て、段から落とすことができた。
射的の店主から少し大きめのクマを箱から出している。
店主が一言レイに言った。
店主「彼女にかっこいいとこ見せれて良かったなぁ!」
レイ「…へっ?」
手を出していたレイの体が突然岩の様に固まる。
コハクも予想外な発言に口を開けてびっくりしている。
射的屋からもらったクマをしばらく持って離れると、レイが細々と言う。
レイ「…え、えっと…あげるよ」
コハク「え、いいんですか…??」
レイ「その為に聞いたんだよ。…まあとりあえずもらってくれ」
コハク「あ、ありがとう…ございます…」
レイは照れくさそうに笑った。
その笑顔を見たコハクはまた顔を赤くした。
レイ「それにしてもミカ、連絡来ねえなー…」
コハク「そうですね…だいぶリトさん探しに苦戦してるんでしょうか?」
レイ「俺らも探しに行くか?」
コハク「店をまわればいつかは会えると思うんです…それに、私たちはここに初めて来た訳ですから、動きすぎると私たちも迷子になってしまいます…」
レイ「あ、そうだな…そこまで考えてなかった」
レイは苦笑しながら頭をかいた。
コハク「あの…少し聞いていいですか…?」
レイ「ん?どうした?」
コハク「リトさんって、もしかして元は何かあったりするんですか…?私、リトさんが目の前にいると強ばってしまって…」
レイ「それはきっと見た目のせいだろうな。俺も最初ビビった。初めて会った時サングラスかけてたんだからな。なんか俺に第一印象を良くさせようとしてたらしいけど」
コハク「そうなんですか?」
レイ「むしろ逆効果だよな笑でも本当は普通に優しいし良い奴だからな」
コハク「それなら…良かったです」
レイ「まあ、見た目と言えどもしかしたら俺の方が怖いのかもしれないな笑」
コハク「え…?」
レイ「だって、コハクと一緒に町にいた時もすんげージロジロ見てくるからさ。なんかヒソヒソ話してたし。俺そんな雰囲気悪いか?って思うくらい」
コハクは開いていた手のひらを力強く握りしめた。
コハク「…違いますよ」
レイ「え?」
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年6月17日 7時