11話『消える火の花』(中) ページ41
ミカは顔半分まで小さくなった綿飴を持ってレイと一緒に歩いていった。コハクやリトも2人についていっていたが、
リト「ん?わあ…綺麗…!」
とリトが列から外れていったのを誰も気づくことができなかった。
ーーーー
レイ「…あれ?リトは?」
ミカ「え?後ろにいるんじゃないの?」
2人とも振り返るとそこにはリトの姿は見えない。
コハク「あ…?さっきまで一緒にいたはずなんですが……」
ミカ「あちゃー…迷子になっちゃったかー…リトくんは相変わらず方向音痴だねー…」
ミカは珍しくため息をつく。
ミカ「あたしリトくん探してくるよ!2人は一緒にいて!また連絡するね!」
チャットでリトに連絡していたのか、スマホを片手にミカは走っていった。
レイ「え、ミカ??」
コハク「あ…」
レイとコハクは2人きりとなった。
レイ「んー…いつも急なんだよなー…」
レイはそう独り言を呟く。
コハク「まあ…仕方ないですよ…笑」
とコハクが苦笑いしている内に、急に顔が真っ赤になった。
レイ「はは…笑そうだな。……ん?どうしたコハク?」
コハク「あっ…いえ!なんでもないです!」
コハクは気付いた。いや気付いてしまった。今知っている人の中で近くにいるのはレイだけ。つまり、レイと二人きりになっていることに。
コハク「ど、どこに行きましょうか…!!」
レイ「俺、1回射的してみたいから近くにあるし行っていいか?」
コハク「は、はいっ…!」
コハクは肩の力が抜けず、顔も赤いままだった。いつもは気にするようなレイは何故か異性と二人きりというのに気付いていないのか、普通の面をしながら射的屋に歩いていく。
5個のゴム製の弾を渡されたレイは銃を構え、打つ。
1弾目は外れ、2弾目は当たるものの段から落ちてくれない。
レイ「あ、コハク。何か欲しいのとかあるか?」
コハク「へっ…?えっと…あのクマですかね?」
レイ「あー。あの紙打ったらもらえるんだな。」
レイは銃を深く構える。その様子をじっと見ているコハク。
3弾目。目標の紙には当たったものの下すぎたのか、落ちてくれない。
4弾目。倒れる直前までズラすことができた。
レイ「見てろよー、コハク。もうすぐ取ってやるからな?」
コハク「は、はい…!」
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年6月17日 7時