9話『輝く赤』(上) ページ32
翌日。レイはリトの部屋で目が覚めた。レイはコハクが家具を買うまでソファで寝ると言ったが、ほかの3人に断固拒否され、結局同性であるリトの部屋で寝ることにした。
リト「んん…」
リトが寝言を言っている。髪を下ろした姿はガールに見えるが目を凝らすとボーイの顔立ちなのが分かる。
リト「ん…?おはよう…レイくん」
よくよく考えてみると
レイ「こんな距離近いのによく眠れたな…眠りが浅かったからか知らないけど、起きた時点で疲れた…」
リト「早いよ…笑」
リトは起き上がってゴムで髪を括る。その姿をそっと後ろから見ているレイ。
リト「レイくんは朝弱い?」
レイ「慣れてる場所なら余裕でぐっすりだな。でも、慣れてなかったら眠りが浅すぎて疲れが取れないんだよな」
リト「そうなんだ…!意外だなー…」
そう話していると、何か大きな自動車が家の前で止まったかのような音が聞こえてくる。
窓を開けて下を見てみると、引越し業者の車と高級そうな赤い車が止まっている。
レイ「これって…あれか?昨日コハクがミカに住所を聞いてたのと何か関係があんのか?」
リト「絶対それだよ…あ、なんか女性が降りてきたよ!」
レイ「俺らも玄関開けないと」
リトとレイは階段をかけ下りる。下りた先にはコハクとミカがいた。
コハク「あ、おはようございます…!」
レイ「おはよ、もしかしてコハクの部屋の家具が届いたのか?」
コハク「そうですね…こんな朝から…」
ミカ「ふわあ…早いねぇ…」
玄関のインターホンが押される。
コハク「私が出ていきますね!」
リビングにいたコハクは玄関まで駆けていく。
コハク「挨拶するなら入ってください」
そうコハクが話しかけていると、コハクの母親らしきイカがドアから入ってきた。
コハクの母親はミカ達に向けて深々と頭を下げ、高級そうなお菓子が入った紙袋をミカに渡した。
コハクの母親と4人が談笑している間に空き部屋を専用家具を設置して、すぐコハクの部屋にしてくれた。
家具の設置が完了したと同時に捌けていく引越し業者。
共にコハクの母親も家からおいとましようとしていた。
母親はコハクに激励の言葉を送った後、赤い車で帰っていった。
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年6月17日 7時