7話『迷える狐』(中) ページ23
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ミカ「たっだいまー!」
ミカがいつも通りに家に帰ってくる。時計を見ると夕飯の時間だと感じたレイは自分の部屋から出て、階段を降りる。
レイ「おかえr……ん?」
ミカ「この子お風呂入れさせてあげて!」
レイは1度忘れかけていた記憶が一気に蘇る。俯いて顔は見えないが、小道で見かけたガールだった。
リト「おかえりー、ミカちゃん!お風呂まだ湯船にお湯溜まってないけどシャワーなら大丈夫だと思うよ!」
ミカ「だって!ハクちゃん!入ってきなよ!」
コハク「あっ…ありがとうございます…」
ハクと呼んだそのガールはミカに風呂場に連れられていった。
レイ「俺…あのガール昼に見たんだよな」
リト「そうなの?」
レイ「ああ。あの背負ってたリュックの大きさ、引っ越してきた俺みたいでさ。」
リト「そうなんだ…」
レイ「ハク…って呼んでたよな、ミカ」
リト「そうだね?綺麗な名前だね」
レイ「そうだな…」
ミカがリビングに入ってきた時に、レイが聞いた。
レイ「小道にいたのか?」
ミカ「うん!あたしが買い物終わった後にベンチに座って雨宿りしてるのを見つけてねー…だから話しかけてみたんだー!」
レイ「ああ…昼に同じことしようとしてたのか」
ミカ「ん?」
レイ「いや、俺が昼に外に出た時もいたからさ。迷子なのかと思って話しかけようと思ったけど、無理だった。」
ミカ「へぇー…じゃあ今までずっとあそこにいたってことかな?」
リト「そうかもしれないね?」
レイ「家は?」
ミカ「それが答えてくれないんだよねー…口ごもっちゃって」
レイ「ふーん」
リト「ハクちゃんって言うんだね?」
ミカ「あ、ううん!ほんとはコハクちゃんだよー!あたしがあだ名作っただけ!」
レイ「コハク…なのか」
ミカ「うん!」
コハクの話を淡々と話し続けた。
すると、ミカの部屋着を着たコハクが風呂場からゆっくりリビングに入ってきた。
コハク「あ、あがりました…」
ミカ「あったまったでしょ?」
コハク「はい、ありがとうございます…」
コハクは深々と頭を下げる。
ミカ「そんな頭下げなくていいよ…!あ、あと、今日は泊まっていったらいいよ!」
コハク「えっ?」
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作者名:こっこ@amuse | 作成日時:2019年6月17日 7時