占ツクに宗教が出来上がったらしい(解体)

みえない1 ページ11

「てんしさんは気付いているのかなあ……」

晒しスレでの数々の批判文が現す人気の影を思い浮かべつつ、女子Bちゃんに有りのままを話した。

女子Bちゃんは、終始頷き、時には私の語る事実に恐れるような表情。

中には過激な批判もあり、流石に誹謗中傷にあたるコメントもあった。

「でも、……死ね、とかは酷いよね……。てんしさん、気づかないといいけど」

女子Bちゃんは、俯きがちに零した。
私も、同意。

「そうだね……。……でも」

てんしさん以上に、あのスレの存在に気付いてはいけない人がいる。

てんしさんの、いわゆる「信者」。あの人達がスレに気付いてしまえば、黙っている筈が無い。

「とっ、とりあえず今は大丈夫だよ！
気付いていないんだから！このままてんしさんの最盛期ってやつさえ過ぎちゃえばなんとか……」

女子Bちゃんは、言ってから苦笑いを浮かべた。どことなく違和感のある言い方だ。

……栄枯盛衰、という言葉がある。いつまでも、最高の状態が続く筈はない。総合ランキングに載ってもいつかは外れる。いつかは人気作品のコメントも途絶える。

いつまでも、人気が続くなんて、有り得ない。
いつまでも、同じ人気が続く筈が無い。

そのことに、果たして てんしさんは気付いているのかな？
人気の光の脇の影を、理解出来ているのかな？

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