孤独なサモナー[2] (ページ25)

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？「あ、あのっ。」

近づいてくる2組の足音に十分余裕を持って振り返った私達に、回復職特有の柔らかい曲線を持った皮鎧の少女が声をかける。

後ろで束ねたポニーテール。
可愛らしい頬のラインと清潔感のある容姿の女の子だった。

？「〈三日月同盟(みかづきどうめい)〉のセララですっ。
今回はありがとうございます。」

シロエ「って、班長じゃないすかっ！！」
　
A『こんなところでなにやってるんです？』

ぴょこんと頭を下げた少女には申し訳ないけれど、私達は思わず最大級の声で突っ込みを入れてしまう。

？「おやおや。誰かと思えばシロエち、Aっちではないですかにゃ。
道理で神速果断の救出行だと思ったのですにゃー。」

　
セララの背後を守るように立っていた長身の影。
　
それは〈放蕩者の茶会(デボー・チェリー・ティーパーティ)〉で「班長」、「猫のご隠居」と呼ばれていた猫耳の盗剣士(スワッシュバックラー)、にゃん太だったのだ。

班長は〈放蕩者の茶会(デボー・チェリー・ティーパーティ)〉でもある種独特の空気を持ったプレイヤーだった。

いつでも穏やかで、淡々とした雰囲気を感じさせる、柔らかな人柄を持っていた。
日向ぼっこをしている猫のような雰囲気とでも云えばよいのだろうか。

とかくお祭り好きの多い、一歩間違えると暴走ぎみのプレイヤーが多い〈放蕩者の茶会(デボー・チェリー・ティーパーティ)〉では貴重な常識人だった。

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2018.02.05