6話:この日、あの日。 ページ6
「ここ。右に曲がって」
「え、あ…うん」
すっと俺の右にいく凛ちゃん。
警戒は解いてくれたものの、まだ「信用」できないそうだ。
数分前―。
「…お兄さん、本当に「私たち」のこと、助けてくれる?」
「うん、勿論。あとお兄さんじゃなくて俺の名前は猫黒A。よろしくね」
「…うん」
そして、現在に至る。
「…着いたよ」
「え、あ…、ここ?」
「?うん、そうだけど…」
…ちょっと豪華すぎやしませんか?
「?」を頭に浮かべ、首を傾げる凛ちゃんに俺は恐る恐る訊く。
「…あの、因みに言いますが…凛様のお母さまとお父様はどんな仕事をしていらっしゃるんですか…?」←
「なんで敬語なのよ…?ああ、まあ普通の仕事ね。ママとパパは昔、世界中を飛び回ってたらしいけど、私はその頃まだ生まれてなかったからどんな仕事かしらないわ(様…?)」
「せかっ…!?」
世の中、理不尽だな。←
つい敬語になってしまった…。
「…あれ?」
「!…如何したの?」
「…開いてる」
――え?
「ママ、いつも鍵閉めてるのに…」
「…凛ちゃん、ちょっとここで待ってて」
「え?あ、…私も行くわ」
「えっ」
Aは「なんで」という顔で凛を見る。
それに応えるように深いため息をつく凛。
「…言っとくけど、まだ私、貴方のこと信用してないから。なにやるか分かんないし…」
「え、あー…」
…確か、そういう事言ってたような。
「…それに⦅ボソッ」
「?何かいった?凛ちゃん」
「…はあ。
――何でもないわよ」
「…?そっか。じゃあ、お邪魔します…」
―――俺は、俺たち二人は、この時気付かなかった。
「…へえ、いいね、あの男」
「…彼をこちら側に?」
「ああ…。「アレ」は使える。是非とも、スカウトしよう。
――猫黒Aくん」
この日、「彼女」の両親に何が起きたのかも知らずに。
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名無し - 少しよろしいでしょうか? 内容は少し違うのですがこの小説に 似ていたものがありまして、 勘違いかもしれないんですけど この作品がパクられているかも、 しれません (2019年8月17日 19時) (レス) id: 8bef809b57 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎 - ありがとうございます!! (2018年3月3日 20時) (レス) id: 7d19fd6c34 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - 更新楽しみにしてます! (2018年2月17日 16時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒兎 | 作成日時:2018年1月15日 0時