18話:子供のまま ページ18
縄がクラス委員長という奴等に渡される直前に俺が話始める。
「おいおい、いいのか?こいつらなんかに俺の縄を渡しちまってさ」
「黙れ」
「…はっ、やっぱ嫌いだわ、お前」
これは本心。
俺だってガキの頃は純粋にアニメに出てくる赤いヒーローに憧れていた。
だけどある日、ガキである俺は気付いてしまった。
何度救けを呼んでも、ヒーローは来ないという事。
ヒーローというものは簡単に人を捨ててしまう事。
実際、そうだったから。
『ごめんなさい』
『ママ…!!』
これで死体をみたのは、確か162回目…。
「まあ、逃げて町中を大暴れするのもいいなー」
「うるさい、静かにしろ」
相澤さんの言葉にケタケタと不気味に笑う俺。
「…コイツの拘束具はかなり頑丈に作ってあるし、大丈夫だとは思うが…。くれぐれも挑発には乗るなよ。一時間目は自習になってるからな…以上だ」
「はあーい!」
「返事するな」
えっ。
相澤さんが扉へと方向転換して出て行った。
数分経って、一時間目の自習時間となる。
学校か〜。
「んー、暇。」
俺のその呟きに、生徒たちがビクッとし、俺の方を振り向く。
おい、ちょっとは保てよ、冷静さを。こっちは頑張ってんだぞ?
横に俺の縄を持ってる眼鏡くんは無反応。
他の奴等とは違って冷静さを保っているのだろう。
「さて、と。トイレ行くか…」
そう聞こえるように生徒たちに言い、手を思いっきり横へ離した。
拘束具はかなり柔い作りに成っているため、直ぐ壊れた。
まあ、俺の力でも強い拘束具はボロボロに砕け落ちるけどね。
案の定、縄を持っていたポニーテールの可愛い女の子と、先ほどまで冷静さを保てていた眼鏡くんも目を点にして驚いている。
だから冷静さを保てって。
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名無し - 少しよろしいでしょうか? 内容は少し違うのですがこの小説に 似ていたものがありまして、 勘違いかもしれないんですけど この作品がパクられているかも、 しれません (2019年8月17日 19時) (レス) id: 8bef809b57 (このIDを非表示/違反報告)
黒兎 - ありがとうございます!! (2018年3月3日 20時) (レス) id: 7d19fd6c34 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリ - 更新楽しみにしてます! (2018年2月17日 16時) (レス) id: 84c51744c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒兎 | 作成日時:2018年1月15日 0時