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紫陽花 45 ページ48

森を抜け、元来た道を車で走る。
怪我人が二人もいるために丁寧に、しかしスピードをつけて道を走っていると、前方から何機かの戦闘機が空を駆けていく。
あれはウチの軍の空爆部隊だ。

「お、結構早かったな」
em「グルッペンさんからの直々の命令ですしね」

車を走らせながら頭上を飛びゆく機体を見送る。
そう時間も掛からずに、あの屋敷は炎に包まれ焼け落ちるだろう。
鮮血で濡れたあの地下室も、アルジェントが幽閉されていた地下牢も、Aが閉じ込められていた白い牢獄も。

全て全て、何もかも無くなるのだ。

そんな風に、いつか生き残った二人からも忌みましい過去が消えてくれればいい。
直ぐには消えないだろうけど、きっと大丈夫だろう。
何の説得力のないけれど、僕はそう確信していた。
ふ、と口元に笑みが浮かんでいるのに気付き、少し気恥ずかしくなって片手で口元を抑えた。

em「ふふ、タバコ入りますか?」
「やかましいわ。気付いとる癖に白々しい」

横でエーミールが笑っている。
僕がタバコが欲しくて口元を抑えたんじゃないことに気付きながら、わざと揶揄っているのだ。全く。

em「貴方はやはり優しい人だ」
「はぁ?別にそないな事ないわ」
em「ふふ…」
「なんやねんお前…」

それ以上何も言わなくなったエーミールに唇を尖らせ、肩を竦めながら運転に集中した。
もう少し走らせれば、見慣れた風景が見えてくるだろう。
…嗚呼、早くタバコを吸ってあったかい飯でも食べたいわ。




***

お久しぶりで〜〜〜〜〜す_(┐「ε:)_
公開設定弄ってた!!!すまん!!!!

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すずねこ - 更新頑張ってくださいね❗ (2022年7月11日 20時) (レス) @page48 id: 5c9b7042cd (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 夜さん» 続きは書きたいです…!ですがリアルが忙しくなかなか更新できないのが悔しいです…!コメントありがとうございます!待っていただければ、いつか、いつかは!!書きますのでお待ちください! (2021年4月5日 23時) (レス) id: 8e20d2cd66 (このIDを非表示/違反報告)
- とても面白くて一気読みしてしまいました!まだ続きは書かれる予定ですか?書いてくださるならいくらでも待つので更新頑張ってください! (2021年2月5日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - ウルズさん» コメントありがとうございます!パスワードの件はご迷惑おかけしました…(;´Д`)最初の頃から見ていただきとても嬉しいです! (2020年10月13日 23時) (レス) id: fa99c77dd8 (このIDを非表示/違反報告)
ウルズ - またこちらの作品が読めて嬉しい限りです。連載初期から文が素敵だと思い愛読してました。急に検索しても出てこなくなった事に驚きましたが、パスをかけられていたと知り納得しました。詳しい事情は分かりませんが、これからも頑張って下さい。更新楽しみにしています。 (2020年10月13日 22時) (レス) id: 18e5b459af (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:スノウ | 作成日時:2019年10月30日 13時

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