紫陽花 32 ページ35
無理だろうか、と諦念を覚え始めたその時。
バギッ、と嫌な音を立てて彼を繋いでいた鎖が引きちぎられる。
右手、左手、そして両足。
陽に当たらず生白い手足は、決して太くはない。
だが、容赦なく鎖を引きちぎる様子は、戦闘民族と名高い力を秘めているのだと理解出来る。
まるで紙のように簡単に自由になった男は、伸びきった前髪をかきあげる。
整った顔貌と、美しいワインレッドとオーシャンブルーのオッドアイ。鬱先生は写真でしか見たことがなかったが、成程これはコレクターに狙われるだけある、と納得した。
？｢…俺にはこれを壊すことは出来ない。昔、俺の目の前であの男は子どもにコレを付けて爆発させた。
俺だけが死ぬのならまだしも、もしもA様にも影響が出る可能性が一つでもあるのならば、力ずくで破壊は出来ない。
…だが、お前たちなら出来るのだろう？｣
爆発物がその場だけで爆発するとは限らない。片方が爆発して、そのまま連動しもう片方も爆発する可能性は十分に有り得るのだ。
ショッピは背筋にゾクッと冷たいものが走るのを感じた。
ut｢出来る。必ず｣
？｢……まだお前たちを信用した訳では無い。だが、あの方を救うため、…そしてあの方の悲願を果たすために俺は死ぬ訳には行かない
だから、一旦お前たちに俺の命を預ける｣
誰かに命を預けるのは、かなり勇気のいることだ。
仲間同士でも、時にはそれを行うことが出来ないことだってある。
それを、この警戒心の強い獣が不承不承であっても行おうとしている。
(やれやれ、僕はそんな期待を込められるような役柄ちゃうんやけどな…)
だけど、今はそんなことを言っている場合ではないし、なによりここまで言われたからには心を決めなければ男が廃る。
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すずねこ - 更新頑張ってくださいね❗ (2022年7月11日 20時) (
レス) @page48 id: 5c9b7042cd (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 夜さん» 続きは書きたいです…！ですがリアルが忙しくなかなか更新できないのが悔しいです…！コメントありがとうございます！待っていただければ、いつか、いつかは！！書きますのでお待ちください！ (2021年4月5日 23時) (レス) id: 8e20d2cd66 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - とても面白くて一気読みしてしまいました！まだ続きは書かれる予定ですか？書いてくださるならいくらでも待つので更新頑張ってください！ (2021年2月5日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - ウルズさん» コメントありがとうございます！パスワードの件はご迷惑おかけしました…(；´Д｀)最初の頃から見ていただきとても嬉しいです！ (2020年10月13日 23時) (レス) id: fa99c77dd8 (このIDを非表示/違反報告)
ウルズ - またこちらの作品が読めて嬉しい限りです。連載初期から文が素敵だと思い愛読してました。急に検索しても出てこなくなった事に驚きましたが、パスをかけられていたと知り納得しました。詳しい事情は分かりませんが、これからも頑張って下さい。更新楽しみにしています。 (2020年10月13日 22時) (レス) id: 18e5b459af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スノウ | 作成日時：2019年10月30日 13時
