紫陽花 30 ページ33
白刃の鋒を男の首筋に当てる。人の生命を奪う鋭利な刃は、簡単に人間の柔肌を切り込み真っ赤な血を流させる。
「ヒッ」
「さて…どこから斬っていこうかな」
指を1本ずつ、それとも逃げられないように足首?
いややっばり、
「お前を見ていたくないから、その首を飛ばしてしまおう」
「ま、まて!」
刃を上げ、そのまま振り下ろそうとする。
男は焦燥のまま懐に手を差し入れ、あるものを取り出した。すると、ひとらんらんは腕を止めた。
それを勝機だとにんまり笑った。
「こ、これはそいつの爆弾のスイッチだ!俺が押せばすぐにそいつは爆弾で死んでしまうんだぞ!
それに、こんな近くで爆発すればその後ろにいる男も巻き添えだ!お、俺の方が有利なんだ、殺されたくなかったらやめ──、」
「はぁ?なにいってんの?」
え、と声が漏れる。
カシャンと手元のスイッチから音が立ち、そして急に真っ二つに崩れ落ちた。
「そんなのでどうやって殺すつもりなの?」
「な、なんで切れて…!!」
男には見えていない。
スイッチを取り出したその時、ひとらんらんは目を細め誰にも気付かれないほどの神速で手元の機械だけを切り捨てたのだ。
なんという早業、なんという速さ。
頼りの綱が断ち切れ、男はへにゃへにゃと手を下ろした。
「もういいよ、お前」
「は」
ザシュッ、血飛沫が飛び散る。
ひとらんらんが容赦なく刀を振り下ろした。
ズレる視界、真っ赤な床、煌めく白刃、純白の軍服。
男が最期に見たのは、血よりも赤く紅く朱く輝いている、憎しみと怒りに塗れた美しい瞳だった。
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すずねこ - 更新頑張ってくださいね❗ (2022年7月11日 20時) (レス) @page48 id: 5c9b7042cd (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 夜さん» 続きは書きたいです…!ですがリアルが忙しくなかなか更新できないのが悔しいです…!コメントありがとうございます!待っていただければ、いつか、いつかは!!書きますのでお待ちください! (2021年4月5日 23時) (レス) id: 8e20d2cd66 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - とても面白くて一気読みしてしまいました!まだ続きは書かれる予定ですか?書いてくださるならいくらでも待つので更新頑張ってください! (2021年2月5日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - ウルズさん» コメントありがとうございます!パスワードの件はご迷惑おかけしました…(;´Д`)最初の頃から見ていただきとても嬉しいです! (2020年10月13日 23時) (レス) id: fa99c77dd8 (このIDを非表示/違反報告)
ウルズ - またこちらの作品が読めて嬉しい限りです。連載初期から文が素敵だと思い愛読してました。急に検索しても出てこなくなった事に驚きましたが、パスをかけられていたと知り納得しました。詳しい事情は分かりませんが、これからも頑張って下さい。更新楽しみにしています。 (2020年10月13日 22時) (レス) id: 18e5b459af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スノウ | 作成日時:2019年10月30日 13時