紫陽花 26 ページ29
一方その頃、ひとらんらんとエーミールはと言えば。
｢……｣
｢ひ、ひとらんさん落ち着いて…！(小声)｣
｢…落ち着いてる｣
｢(それ絶対に落ち着いてない！！！)｣
カツカツカツ、ひとらんらんの軍靴のヒールが静かな屋敷に響く。それを追うエーミールは、明らかに焦っていた。
それもそのはず、ひとらんらんが怒りで周りを見ていないからである。
ちらっと先程見た時、瞳孔は開き瞳は真っ赤に染っていた。超怒っている。
今は向こうのショッピと鬱先生が屋敷の人間を引き付けてくれているお陰で特に邪魔されていないが、もし今ひとらんらんの目の前に現れたら、容赦なくバッサバッサと切り捨てていくだろう。
エーミールはひとらんらんの怒りに慣れていない。
そもそも普段彼を怒らせているのは、畑を荒らす一部のメンバーだけであり、本来は穏やかな青年なのだ。
ひえぇ、と怯えながら彼の後を追う。
周囲を確認しながら、漸く辿り着いた最深部。
ひとらんらん達の、目的の場所。
そう、Aが閉じ込められている部屋だ。
｢鬱先生の言っていた通り、これはかなりセキュリティを掛けられていますね…
指紋認証だけでなく、網膜認証や顔認証ですか｣
｢…全部切って捨てればいいんでしょ？
エミさんちょっと退いてて｣
｢ここを解除するのは時間が掛かると言って…え？今なんて言いました？｣
チャキ、金属の音がする。
スっと腰を屈め、ひとらんらんはドアを真っ直ぐ見据え手を添えた刀の柄を握りしめる。
エーミールは一瞬何を言われたのか理解出来ず首を傾げたが、明らかに戦闘態勢に入ったひとらんらんを確認し顔を青ざめ5メートルほどすぐさま離れた。
キラリ、白い男の手元で光った。エーミールはそれしか視認できなかった。
次の瞬間、ガタッと一度音を立てるとガラガラっと大きな音と共に厳重だった扉が綺麗に2つの線を中心に崩れていった。
ひとらんらんが、
(ひとらんらんさんの剣の腕前は知っているが、扉を切るなど…！
なんて素早い剣筋だ…全く見えなかった…)
｢さぁ、行こうよエミさん｣
｢…え、えぇそうですね｣
＊＊＊
やぁ、生きてるよ。
新作作ったんだ、懲りないよね(白目)
【wrwrd】約束の菫
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すずねこ - 更新頑張ってくださいね❗ (2022年7月11日 20時) (
レス) @page48 id: 5c9b7042cd (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 夜さん» 続きは書きたいです…！ですがリアルが忙しくなかなか更新できないのが悔しいです…！コメントありがとうございます！待っていただければ、いつか、いつかは！！書きますのでお待ちください！ (2021年4月5日 23時) (レス) id: 8e20d2cd66 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - とても面白くて一気読みしてしまいました！まだ続きは書かれる予定ですか？書いてくださるならいくらでも待つので更新頑張ってください！ (2021年2月5日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - ウルズさん» コメントありがとうございます！パスワードの件はご迷惑おかけしました…(；´Д｀)最初の頃から見ていただきとても嬉しいです！ (2020年10月13日 23時) (レス) id: fa99c77dd8 (このIDを非表示/違反報告)
ウルズ - またこちらの作品が読めて嬉しい限りです。連載初期から文が素敵だと思い愛読してました。急に検索しても出てこなくなった事に驚きましたが、パスをかけられていたと知り納得しました。詳しい事情は分かりませんが、これからも頑張って下さい。更新楽しみにしています。 (2020年10月13日 22時) (レス) id: 18e5b459af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スノウ | 作成日時：2019年10月30日 13時
