紫陽花 25 ページ28
軽度？なグロテスク描写注意
銃を構えた二人を出迎えたのは、閉じ込められている人間たちでも見張りの男達でもなかった。
床一面に広がるのは、真っ赤な水溜まり。まるで地獄の入り口が開いたかのような、まさしく地獄絵図だった。
牢屋の床だけでなく通り道まで広がり、歩く道すら見分けしづらい程だった。
｢なんや、これ…｣
｢…さっきからずっと匂ってた血の匂いはコレが原因っすね…想像以上に酷かったですけど｣
鼻がイカれそうな程濃密な血の匂いに、思わず顔を顰めずにはいられない。
牢屋の出口の近くにいた人、であったものを見ようと近づく。ぱしゃぱしゃと音が鳴るほど溜まりきった血の量にぞわりと背中を冷や汗が落ちるのを感じる。
スーツが汚れないように(革靴が汚れたのは既に諦めた。血は簡単には落ちないことは知っているため、全て終わったら靴は廃棄する。)しゃがみ死体を観察する。
頭と胴体が離れかけているその死体は異常である。
まるで、首元で爆弾が爆破したかのような状態だ。
｢…あ。大先生、ここになんかあります｣
｢ん？…嗚呼なるほどなぁ。そういうことか｣
死体のほぼ視認できないほど酷い状態だが、元は首があった部分に金属片を見つけた。
｢わかるんですか？｣
｢うん、多分やけどね。
僕らはAさんとあの戦闘民族くんのあからさまな爆弾付きの首輪ばかりに注目しとったけど、この人らにもしっかり爆弾がつけられとったってこと。
ただ、あの二人とは違うのは首に埋め込められとったって所やな。だから僕らも監視カメラから見つけることは出来んかった｣
｢なるほど…｣
｢首を狙っとるのは流石の一言やな。ここはおっきな血管があるから、吹き飛ばしさせすれば失血死は免れんやろうし、無理でもショック死を起こすことは可能やね｣
鬱の声が牢屋に響く。
恐らく、ここに閉じ込められていた者たちは既に息をしていないだろう。
助けられなかった虚無感と後悔が二人の心中を襲う。
すると、鬱があっ！と声を上げる。
｢せや、戦闘民族くん…！｣
｢あ｣
真っ赤な牢屋の奥。
他とは違い鍵付きの扉へと二人は走る。
血が跳ね服の裾に付くが、もう知らん子っちゃねぇと鬱は吹っ切れた。ショッピは元々気にする質ではないため血がつくことに何も感じていない。
血溜まりに足を取られながらも走り、扉に辿り着いた。
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すずねこ - 更新頑張ってくださいね❗ (2022年7月11日 20時) (
レス) @page48 id: 5c9b7042cd (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 夜さん» 続きは書きたいです…！ですがリアルが忙しくなかなか更新できないのが悔しいです…！コメントありがとうございます！待っていただければ、いつか、いつかは！！書きますのでお待ちください！ (2021年4月5日 23時) (レス) id: 8e20d2cd66 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - とても面白くて一気読みしてしまいました！まだ続きは書かれる予定ですか？書いてくださるならいくらでも待つので更新頑張ってください！ (2021年2月5日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - ウルズさん» コメントありがとうございます！パスワードの件はご迷惑おかけしました…(；´Д｀)最初の頃から見ていただきとても嬉しいです！ (2020年10月13日 23時) (レス) id: fa99c77dd8 (このIDを非表示/違反報告)
ウルズ - またこちらの作品が読めて嬉しい限りです。連載初期から文が素敵だと思い愛読してました。急に検索しても出てこなくなった事に驚きましたが、パスをかけられていたと知り納得しました。詳しい事情は分かりませんが、これからも頑張って下さい。更新楽しみにしています。 (2020年10月13日 22時) (レス) id: 18e5b459af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：スノウ | 作成日時：2019年10月30日 13時
