紫陽花 15 ページ18
em「コレクター、ですか。
やはり前々から黒い噂もあったのですか?」
rb「おん。ただ、あそこは軍も国も揃いも揃って身内のことは隠したがるとこやから、調べる前は本当に噂程度やったわ」
ロボロが手元のスイッチを押すと、壁際にプロジェクターとスクリーンが上から降りてくる。
自動でカーテンが閉まり、室内は薄暗くなる。
プロジェクターに電源が入ると、スクリーンにパソコンからのデータが映し出される。
そこにはあまり整っている顔とは言い難いふくよかな男、言い換えれば小太りな男の写真と、事細かに書かれた男の所業の数々。
os「うっわぁ…コイツほんま色々やらかしとんなぁ」
kn「ここまで来るとむしろアッパレやな!」
全員がそれぞれ苦い笑みを零したり、笑い飛ばしたりしているが、揃いも揃ってその目の奥は冷えきっている。
鬱先生がパソコンのキーを叩くと、スクリーンの画像が映像に変わる。
ut「この男の家に防犯カメラがあったから、ちょっと覗かせてもらったわ。
…ほんっま、胸糞悪いもんばっかやで」
防犯カメラな為、目線は上からである。
そこに映っているのは恐らく地下牢。
薄暗いためか、カメラとしてのスペックがあまり高くないのか明瞭ではない。
しかし、壁には明らかに酸化し黒くなった血の痕や、使った形跡のある拷問用の道具などと、明らかに正常な空間ではない。
そんな地下牢には男女様々な年齢層の人間がいる。
容姿もバラバラで、色んな国籍の者たちがいるのだろう。
そんな彼らに共通しているのは、傷だらけであること。
そして、瞳の色が美しいことだ。
普段から地下牢に閉じ込められているのだろう。
日に当たらない真っ白な肌(勿論、元が浅黒い肌をした者もいるが)を、例の男の手の者の男達は容赦なく、躊躇いなく傷を付けていく光景。
泣き叫んでも、懇願しても男達は折檻の手を止めない。
むしろ楽しんで行っているように見えた。
…既に、彼らの中の子供たちは目から光を失っている。
ht「ッなんて、酷い…!」
sho「…正気の沙汰じゃねぇ…」
ひとらんらんは顔を青く染めている。
妹もこんな異常な場所に一緒に閉じ込められているのだと思えば、嫌な方向に考えが進んでしまう。
それほど見るに堪えない映像だった。
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すずねこ - 更新頑張ってくださいね❗ (2022年7月11日 20時) (レス) @page48 id: 5c9b7042cd (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - 夜さん» 続きは書きたいです…!ですがリアルが忙しくなかなか更新できないのが悔しいです…!コメントありがとうございます!待っていただければ、いつか、いつかは!!書きますのでお待ちください! (2021年4月5日 23時) (レス) id: 8e20d2cd66 (このIDを非表示/違反報告)
夜 - とても面白くて一気読みしてしまいました!まだ続きは書かれる予定ですか?書いてくださるならいくらでも待つので更新頑張ってください! (2021年2月5日 21時) (レス) id: c9a43346ff (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - ウルズさん» コメントありがとうございます!パスワードの件はご迷惑おかけしました…(;´Д`)最初の頃から見ていただきとても嬉しいです! (2020年10月13日 23時) (レス) id: fa99c77dd8 (このIDを非表示/違反報告)
ウルズ - またこちらの作品が読めて嬉しい限りです。連載初期から文が素敵だと思い愛読してました。急に検索しても出てこなくなった事に驚きましたが、パスをかけられていたと知り納得しました。詳しい事情は分かりませんが、これからも頑張って下さい。更新楽しみにしています。 (2020年10月13日 22時) (レス) id: 18e5b459af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:スノウ | 作成日時:2019年10月30日 13時