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"あっきーには秘密だよ"
"恥ずかしいからね"
無邪気に笑いながら路々さんはあの場にいた僕達に向けてそう言った。
あれは本で見る恋情何かじゃない。全く別の何かだ。得体の知れない何かは間違いなく僕を私へと戻した。…怯える?まさか僕が怯えるとでも?
違う、僕は怯えるはずがない。怯えるはずがないんだ。
「ただいま〜。おっ、アン坊起きたのかい」
「さっき起きたんです」
路々さんに続いて食料庫に入れば座っている駆堂が目に入る。
案外平気そうだな。ま、あの様子だと寝てなかっただけらしいし怪我とかある方が問題なんだけど
「テメー…動いて平気何かよ」
『動いても平気だから動いてるんだけど』
「シノノン?君は絶対安静だからね?」
何気なく紡がれた言葉に体が一瞬固まりかける。
さっきの部屋の出来事が脳をチラつき、思考を鈍らせる前にポケットに手を突っ込めば硬い何かが指先に当たる感覚がする。
ああ、そうだった
『駆堂、これあげるよ』
「あ…?んだこ、れ……テメーこれ…」
軽く投げた小瓶を落とすことなく駆堂は無事に掴むと裏に貼ってあるラベルを読んだからか信じられないような目で僕を見る
そんな駆堂に目もくれずに真横を通り過ぎ奥へ向かうとそのまま柱に寄り掛かる
もう一度駆堂を見れば何か言いたげな表情を浮かべ、今にも手に持っている瓶を握りつぶしそうだった。
『…余ってたからあげるだけ。僕はもう使ってないから』
嘘ってあんたはわかるだろうね
その証拠に顔が歪みっぱなしだ。だけど、僕にとってそれはあってもなくてもどっちでもいいもの。正しい使い方をしてないから変に耐性でも出来始めたんだろう
『……僕はあんたの事情に興味がない。だけど、認知はしてる。ただ、それだけ』
人がどういう事情を持っているか。それに興味があるかないかで言ったらあるに値するのだろう。ただ、それを僕が知るのはお門違いだ
聞かされるのはある種の信用になってしまうのだから。そういう意味で聞きたい訳ではない僕に取って重りになるだけだ
『………疲れたから、寝る』
寝れないくせに何を言うんだろう
睡眠薬を手放した今、僕が寝るのは不可能に近い
GAME44 HER PRETENDER ページ46
・
あの後どうやって路々さんの部屋を出たのかも、自分がどんな顔をしていたのかさえもわからない
わかるのは絶対にこのことをバラしてはいけないということ
無邪気に笑いながら路々さんはあの場にいた僕達に向けてそう言った。
あれは本で見る恋情何かじゃない。全く別の何かだ。得体の知れない何かは間違いなく僕を私へと戻した。…怯える?まさか僕が怯えるとでも?
違う、僕は怯えるはずがない。怯えるはずがないんだ。
「ただいま〜。おっ、アン坊起きたのかい」
「さっき起きたんです」
路々さんに続いて食料庫に入れば座っている駆堂が目に入る。
案外平気そうだな。ま、あの様子だと寝てなかっただけらしいし怪我とかある方が問題なんだけど
「テメー…動いて平気何かよ」
『動いても平気だから動いてるんだけど』
「シノノン?君は絶対安静だからね?」
何気なく紡がれた言葉に体が一瞬固まりかける。
さっきの部屋の出来事が脳をチラつき、思考を鈍らせる前にポケットに手を突っ込めば硬い何かが指先に当たる感覚がする。
ああ、そうだった
『駆堂、これあげるよ』
「あ…?んだこ、れ……テメーこれ…」
軽く投げた小瓶を落とすことなく駆堂は無事に掴むと裏に貼ってあるラベルを読んだからか信じられないような目で僕を見る
そんな駆堂に目もくれずに真横を通り過ぎ奥へ向かうとそのまま柱に寄り掛かる
もう一度駆堂を見れば何か言いたげな表情を浮かべ、今にも手に持っている瓶を握りつぶしそうだった。
『…余ってたからあげるだけ。僕はもう使ってないから』
嘘ってあんたはわかるだろうね
その証拠に顔が歪みっぱなしだ。だけど、僕にとってそれはあってもなくてもどっちでもいいもの。正しい使い方をしてないから変に耐性でも出来始めたんだろう
『……僕はあんたの事情に興味がない。だけど、認知はしてる。ただ、それだけ』
人がどういう事情を持っているか。それに興味があるかないかで言ったらあるに値するのだろう。ただ、それを僕が知るのはお門違いだ
聞かされるのはある種の信用になってしまうのだから。そういう意味で聞きたい訳ではない僕に取って重りになるだけだ
『………疲れたから、寝る』
寝れないくせに何を言うんだろう
睡眠薬を手放した今、僕が寝るのは不可能に近い
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作者名:雪雅 | 作成日時:2020年12月29日 14時