GAME40 HER PRETENDER ページ42
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「しばらくは絶対安静だな」
シノンを食糧庫まで連れ帰り、手当てが終わった後、ユズがそう言い渡す。
「ほ、本当にシノンさん…大丈夫なんですよね…」
食糧庫に辿り着いた時の顔に血の気がなく、手ぬぐいで止血はされてるものの明らかにヤバい状態のシノンの姿を思い出し、カリンは不安が拭えずユズに尋ねる。
「大丈夫。しばらくの間は目を覚まさないだろうけど、時間が経てば時期に起きるさ。
まあご覧の通り、シノノンは僕でも折れそうな位細いからねぇ。暫くは貧血でフラフラなのは確定だろうね」
「カリンさんが握ったりでもしたら骨が粉砕しそうです…」
「ねえそれどういう意味!!」
「痛い痛い痛いです!!」
目の前でアカツキがカリンに締められてる光景を見てあながちアカツキの言い分は間違ってないとカリンを除く全員が思ったが、二の舞にはなりたくはないので口を慎む
「あ、そうだカイさん、部屋に荷物を取りに行きたいが〜……それはシノノンが起きてからでいいね」
ユズの言葉が不自然に変わったことで皆の視線がシノンへと注がれる。
そこにはカイコクの着物の袖を掴んで寝ているシノンの姿があった。
「シノンさんがこういうことをするなんて意外ですね」
「入出、間違ってもそれを本人の前で言うなよ」
「シノンさんも攻撃力高そうですもんね…」
そう言うアカツキだが、さっきカリンに締められたことや出会った当初のことを思い出し絶対にこの事を言ったら同じような目にあうのではないかと想像し顔が青くなる。
「ふーむ、これなら第3ステージの時シノノンも連れて行けば良かったな」
「シノンちゃんを?なんででェ?」
第3ステージは確か源氏ヒカルという奴とあの卵から返った何かをくっつけるステージではなかったかとカイコクは疑問に思う
「この姿を見る限り、シノノンはフードを取ったら中身は超絶美少女だったというお約束に当てはまるからねえ。なら、パーカーさえ剥ぎ取ればあとは制服を着せるまでだと思ったが…」
「絶対シノンちゃんに嫌われるやつだな」
そうは言ったものの確かにシノンの顔は誰がどう見ても美少女の類に当てはまるなとカイコクは自分のことを見上げて話すシノンの姿を思い出す。
確かに似合いそうだが、絶対俺らの前では着てくれないだろうなと結論付けた。
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作者名:雪雅 | 作成日時:2020年12月29日 14時