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GAME35 HER PRETENDER ページ37



「…とか威勢よく言ってたくせによ」

「面目ない…わき腹いたい…」

『はぁ…はぁ……』


安全そうな場所に座り込んでは息を上げている僕と入出

体育の授業とか受けてない割にこんだけ走れてるんだから寧ろ凄いし褒め称えろ


「まあ別にいーけど」


疲れてる素振りを一切見せない駆堂は壊れた壁から鉄パイプを取ろうと蹴っていた

脳筋だな


「テメーらも持っとけ」


駆堂はそう言うと壁から取りだした鉄パイプを僕達に投げ渡す


『僕にこれをぶん回せと?』

「見るからに非力だもんな」

「アンヤくん、俺体育2です」

「はなから期待してねーし」

『駆堂、僕中学の時体育5』

「何でテメーに5が取れんだよ」


体力無くても先生には好かれていたんだよ

まあ駆堂には無理そうだけど


『駆堂も先生に好かれれば5貰えるよ』

「余計なお世話だは!というかテメーに5が取れんなら俺もぜってー取れる」


いや、それは諦めた方がいいよ


「シノンさん…俺も一応先生とは仲がいいはずなんですけど…」

「元々運動神経がある前提で話してるに決まってんだろ」

「ですよねー…」


入出はまず運動神経を手に入れてからじゃないと話にならなそうだな

すると、壁を蹴り続けていた駆堂の動きが止まる


「どうかしました?」

「どーもしねーよ。そろそろ行くぞ」


あの動きには見覚えがあった
目元といいもしかして…いや、決めつけはよくない

不信感を抱きつつ前を行く駆堂と入出について歩くと、駆堂が足を止める


「あ…?あれって…」


角から人の姿が見えたと思えば、ゆっくりとこちらに向かって歩いてくる

特徴的な桜色の髪に女の子らしい身体付き

更屋敷さんだ


「……カリン、さん?」

「テメー向こう側に行ったはずじゃ…」


何も言わずに落ち着いてこちらに歩いて来る姿はいつもの彼女と比べ何とも異様だ

しかもあんな綺麗な笑みを浮かべてくるなんて…

いつもと違いすぎて悪寒が走る


「な…なんか変だぞこいつ」

「カリンさん大丈夫ですか?恐怖で壊れたんですか?」


そう、彼女の性格的に考えて一人行動はおかしい

さっきの状況で彼女は怖がっていた。それ故に周りから離れないはず


そんなことを考えている間にも更屋敷さんは入出に抱きついていた



「え……」



ああそうだ

パカはちゃんと僕らに言っていたじゃないか



「おい…!アカツキ離れろ!そいつ…オカルト女じゃねえ!!」



ミミクリー・マンイーター(模倣する人食い)

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設定タグ:ナカノヒトゲノム【実況中】 , 鬼ヶ崎カイコク   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:雪雅 | 作成日時:2020年12月29日 14時

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