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GAME33 HER PRETENDER ページ35



「おい羽上!しっかりしろ!」


そんな声と共に背後から引っ張られる

心做しか足首がツタのようなものに巻き付かれて強い力で引っ張られている気がする


「おい羽上!!聞こえてるか!!」


先ほどよりも大きい声が背後から聞こえてくる


『そんなに…大声出さなくったって聞こえるよ…。そんなことより…ぼくを置いて逃げなよ…』

「誰が置いて逃げるかバカ!」


置いて逃げてった方が得なのに

こんな足でまとい迷惑にしかならないのに


「おい!絶対このバカを離すんじゃねえぞ!」

「当たり前だ!」


バカってなんだよバカって

一番駆堂に言われたくないんだけど


「首ひっこめな」


その瞬間、空を切る音と共に目の前スレスレに刃が通る。


「こ、殺す気かテメー!!」

「助けてやったんじゃねェか」


こればかりは駆堂に同感だ

今のは命の危機を感じざる負えない


「かすってんだよヘタクソ!!」

「なんでえそんくらい。なめときゃ治らあ」

「届かねーし!!カメレオンじゃねーんだよ!!」

「シノンちゃんは…大丈夫じゃなさそうだな」

「話聞け!!」


鬼ヶ崎は僕の様子を見てかそう言葉を発する

試しに袖を傷があるであろう場所にやればドクドクと血が流れている感覚がする。
まあ瓦礫が直撃して意識が保ててんだ。何とかなるだろう


『痛くないし、大丈夫。走れる走れる』

「シノンちゃん、それはアドレナリンでェ」

『あーそっかアドレナリン…』


その単語が出てこない時点で結構重症な気がしてきた


「頭が上手く動いてない時点で安静にしといた方がいい。おぶるから乗りな」

『いやそれは…』

「いーから」

「羽上もここは鬼ヶ崎の言うことに従っとけ」


いやそれは癪に障る

すると背後から影がさす

ミミクリー・マンイーター…!


「しまっ…」


直後、その口元に向けられある物が投げ入れられるのが目に入る
殆ど反射で耳を塞いだのは正解だったようだ。

煙がだんだんと晴れていく中で、どこか哀愁漂う伊奈葉さんの姿が伺える



「どうして人々は争うのでしょう…」



これには流石に周りも静まり返る。そんな空気の中駆堂が小さく"知るか"と言葉を零した


「おい逃げるぞ!誰かマキマキ起こせ!」


何で逢河はこんな状況にもなって寝てるわけ?

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設定タグ:ナカノヒトゲノム【実況中】 , 鬼ヶ崎カイコク   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:雪雅 | 作成日時:2020年12月29日 14時

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