GAME22 DON'T LOOK BACK ページ24
・
「テメー!!どっから入った!!」
女の子は心做しか路々森さんに似ている気がする
皆が驚いている中、入出が静かに女の子に近づくのを見て僕も女の子に近寄る
「おい」
後ろから忍霧の声がするけどそんなの関係ない
「君がこっくりさんですか?」
入出が優しく女の子に質問する
それに対して女の子は首を横に降った
違うってことか…
じゃあ、誰な訳?
「じゃあ、どなたですか…?お名前、教えていただけますか」
入出の質問とは裏腹に女の子が僕と入出の腕を掴む
「…オ水アリガトウ」
いきなり女の子にお礼を言われる
「どういたしまして」
『…どういたしまして』
入出に続き僕もそう言った
「友達ニナッテクレル?」
そう言った女の子からは嫌な予感がする
だけど…
『いいよ』
あんたとならなっていいよ
「いいですよ」
僕に続いて入出もそう言った
すると掴まれていた腕に力が入る
この先は危険だ
直感的にそう感じた
「ウレシイ……ジャア
・
一緒ニ来テ?一緒ニ焼カレマショ」
嫌な予感は的中した
自分の頬に冷や汗が伝うのを感じた
「一緒ニ死ンデ、クレルンダヨネェェェ」
女の子が入出の瞳を覗き込む
「……ホラ、ソウヤッテスグ忘レル
・
嘘ツキ」
女の子の黒い目からは涙が零れると共に真っ赤な炎が燃え上がる
それと共に僕は入出を突き飛ばした
「勝手に燃えてんぞ…」
「離れろ羽上!!入出!!」
こんな炎の中じゃ誰も近づけはしない
「羽上!!」
遠くから忍霧が僕のこと呼んでるけど行く訳ないだろ
肌がチリチリと痛む中、僕は女の子に近づいた
『友達にはなれるよ。それに……僕は裏切らない』
彼奴らと僕は違う
だから……
・
・
「入出!!」
そんな声が後ろから聞こえると共に隣に気配を感じた
「ダメです。シノンさんは一緒には行けません」
入出アカツキだ
ダメって一体何が……
「ですが……友達にはなれますよ」
入出が今も燃え続ける女の子に近づいていく
「まだ一緒には行けないですけど」
言葉を止める気は一切無い
そして、入出は女の子の手を取る
「約束。俺、破ったことないんです。
・
全部終わったら、必ず」
最後の言葉は聞こえなかった
消えていった女の子は泣いていた気がした
GAME23 DON'T LOOK BACK→←GAME21 DON'T LOOK BACK
24人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪雅 | 作成日時:2020年12月29日 14時