GAME14 DON'T LOOK BACK ページ16
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「おや、リタイアをご所望で?その場合失格とみなしこちらゲノムタワー最下層にあります『白の部屋』へ強制収監いたします。」
白の…部屋…?
その言葉だけで嫌な予感がひしひしと伝わってくる
「ほかの皆様が一億ビューを達成するまでずっとひとり4畳半の密室で延々待機となりますが」
いつの間にか降りてきていたモニターに映像が映る
そこには頭を抱えて座っている人がいた
「こちらは過去、貴方がたと同じようにダダをこねまお方です。実況を放棄した彼はずっとこの部屋で仲間のクリアを待っておりました」
たんたんと話すパカはリモコンのボタンを押す
倍速された画面に目を向け続ける
人がこんなにも早く変わる何てありえない。作り物だ
頭では理解しているのに身体中の血が引いていくのを感じながらパカの言葉が頭の中で繰り返される
「すでに彼らが達成に失敗したこともつゆ知らず来るはずもない迎えをずっとずぅ────っと….」
いつの間にか画面には白骨化した人だったものが映っていた
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『…っ』
自分の口からはヒュッという呼吸なのかもわからない音が聞こえた
「おう、さすがにちょっと悪趣味じゃねェかい…」
大きな物音が前から聞こえてきたかと言えば鬼ヶ崎、駆堂、忍霧がパカを押し倒していた
「作り物の可能性は?」
「気色わりーもんみせやがってこの人殺し野郎」
「お望みならばご案内しますよ。ご遺体は運び出しましたが部屋のリフォームは済んでおりません
まだ「痕跡」が残っておりましょう」
「ひとつご忠告を貴方がたはすみやかに理解すべきです。時分が置かれている状況を」
「怪我や死亡当然ございます。なにせリアル実況ですから
現実世界にリトライやセーブがあるとお思いで?」
そんなのあったら苦労はしてない
あったらどれだけ良かったんだろう
これだから現実は嫌になる
そんなパカの言葉が終わると一人の馬鹿は手を上げる
「パカさんそれって立候補アリですか?」
そう言った入出アカツキの事を僕は忘れないだろう
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作者名:雪雅 | 作成日時:2020年12月29日 14時