選ばれし者とその妹 (ページ7)

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Story 6 ページ7

「ハリーとAは行かせん！」

　口を挟んだバーノンおじさんにハグリッドはフンと鼻を鳴らして返した。

「お前のようなマグルに止められるとでも思うのか？」

「マグル？」聞きなれない単語にハリーとAが首をかしげる。

「魔法族じゃない奴。この子たちの入学は生まれた時から決まってる。世界一の魔法魔術学校、ホグワーツで学ぶんだ。それも！歴代校長の中でも最も偉大なる魔法使い……ダンブルドアの元でな」

「そんなイカれたじじいに魔法を教わるのに金なんか払わんぞ！」

　ついに言葉が過ぎた。
　ハグリッドは傘をバーノンおじさんに突きつけ、怒りを含んだ声で言う。

「貴様……俺の前でアルバス・ダンブルドアを侮辱すると許さんぞ」

　そこで彼は部屋の隅でハリーとAの誕生日ケーキをこっそり食べているダドリーに視線を移すと、おもむろに傘の先端を向けた。悲鳴が上がる。

「な、なんだそれは！」

「取って、取ってよ！」

　ダドリーの尻から豚の尻尾が生えているのを目にしたハリーとAは思わず吹き出してしまった。

「な、ホグワーツの連中には今の内緒にしてくれんか？本当は俺、魔法使っちゃならんのだ」

「わかった」ハリーが頷く。

「おぉっ、ちぃと遅れ気味だ。じゃ、行こうか。ここにいたいなら別だがな。ん？」

　ハリーとAは顔を見合わせ、笑った。
　迷いなんてあるはずがなかった。