Story 32 ページ33
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次の日の朝、白フクロウのヘドウィグが何やら大きな細長い包みを運んできた。みんなが注目する中、興味を引かれたAはグリフィンドール席に行って、包みが開かれるのを見物する。
「箒だ！」
「そこらへんの箒とは訳が違うよ！ ニンバス2000だ！」ロンはハリー以上に興奮していた。
「すごい……でも、一体誰が……？」
Aが呟くと、ヘドウィグは役目を終えたと報告するかのように教員席に飛んで行ってマクゴナガル先生の前にとまった。
「さぁ、皆さん！ 今シーズン最初のクィディッチの試合です。今日の試合はスリザリン対グリフィンドール！ 選手がポジションに着きました。試合開始のためフーチ先生がフィールドに入ります！」
「正々堂々と戦って下さい！」
フーチ先生が高らかに呼びかけ、実況者のリー・ジョーダンが引き続きルール説明をする。
「スニッチのポイントは一五○点です。シーカーがスニッチをキャッチしたらゲームは終了」
クアッフルが空高く放たれ、試合は始まった。
真紅と緑の選手たちが空中で交差し、ボールを奪い合う。
「アンジェリーナ選手決めた！ グリフィンドール十点！」
ジョーダンが得点を告げると、グリフィンドールの席から歓声があがった。
「今度はスリザリンがクアッフルをゲット。フレッチリーがキャプテンのフリントにパス！ グリフィンドール！ また十点追加です！」
更なる歓声の中、ハリーを見つけたAは目を見張る。彼の箒は明らかに様子がおかしかった。狂ったように激しく上下左右に動きまわっている。まるで乗り手を振り落そうとしているかのように。
「ねえ、ハリーの箒どうしたの？」
他のレイブンクロー生たちもハリーを指差して顔を見合わせる。
「スリザリンが妨害してるんじゃない？」
「いや、それはないと思う。本で読んだけど、確か強力な闇の魔術以外は箒に悪さはできないって」
「ごめん、それちょっと貸してくれる？」
Aは隣にいた男子生徒から双眼鏡を借りて、先生たちのいる観客席を見回した。
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作者名：闍弥嵩 李 | 作成日時：2020年1月2日 17時
