選ばれし者とその妹 (ページ15)

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Story 14 ページ15

校長の話が終わるといよいよ組分けの儀式が始まった。
　最初に呼ばれたのはハーマイオニーで、椅子に腰掛けると組分け帽子を被せられた。すると『寮を決めてくれる』というマクゴナガル先生の説明通り、しゃがれた声で帽子が喋りだした。

「そうだな……よろしい、決まった。グリフィンドール！」

　帽子が叫ぶと歓声と拍手が上がり、ホッとした表情でハーマイオニーがグリフィンドールの席に着いた。
　次に呼ばれたのはマルフォイで、帽子が頭に触れるか触れないうちにスリザリンに決まった。
　この間もAは落ち着きなく周りを見渡していた。私が組分けされた寮の人たちはどんな反応するかしら。ハーマイオニーやドラコの時のように喜んでくれればいいのだけど……。

「またウィーズリー家の子だな？君はもう、決まっておる。グリフィンドール！」

　ロンの後はハリーの番になったが、どの寮の素質も兼ね揃えているようで迷っているようだった。だがとうとう帽子がグリフィンドールと叫ぶと一層大きな歓声が起こった。
　Aは今にも倒れそうだった。手足がかすかに震えているような感覚を覚える。上座のほうに視線を向けると教職員の中にハグリッドともう一人、知った顔が見えた。

「A・ポッター」

　広間が静まり返る。Aはほとんど何も考えずに進み出て、帽子を被った。

「ハリー・ポッターの妹か。ふむ、君はどうしたものか。スリザリンの素質もあるようだ……」

　その言葉にハリーが目を見開くのがAの目に映る。ハリーの組分けで彼がスリザリン以外の寮にしてほしいと小声で懇願していたのはAにも聞こえていた。

「だがどちらかといえば……よし決まった。

……レイブンクロー！」

　その途端、レイブンクローのテーブルからハリーの時と負けない程の割れるような歓声が起こった。
　拍手の中、フラフラと席に着いたAに生徒たちが何人も握手を求めてきた。「A・ポッターが来た！」と喜ぶ声も聞こえてきた。
　よかった……。Aはようやく一安心することができた。