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EP3.写真の中の思い出〈4〉 ページ28

Aside

蘭ちゃんは最後まで丁寧に私を送り届けてくれた。あの子といるとなんだか気が楽になるわね〜。さてと……


私は先程の電話の相手にもう一度繋げ直す。すぐに電話に出てくれた相手は嬉しそうな声で「あ!」と声をあげた。


[もしもし、(なまえ)ー?さっき電話出なかったけどもしかして忙しかった?]


「ちょっと知り合いの家に居たのよ〜、もう大丈夫よ。それより、何かあったのー?」


[そっか!今から宿儺の指確認しに行くんだけど一緒に来ない?上がうるさくってさ〜、さすがに行かないとダメっぽいんだよね〜]


宿儺の指の確認、そういえばこの子頼まれてたわね。


「私もちょうど気になっていたのよ〜。誘ってくれてありがとうね」


美月の目が戻らない原因……なんとなく予想はできる。宿儺の指に何かあった可能性が高い、行くしかないわね〜。


[りょーかい!あ、待って。迎えに行ったほうがいい?知り合いの家ってどのあたり?]


「ふふっ、大丈夫よ〜子どもじゃないんだから。すぐに行けるから安心して」


私がそう言うと無邪気な笑い声が聞こえてくる。かわいらしいわね〜。


[あはは、そうだよね。それじゃあ、また後で!]


「ええ、また後でーーーー悟」


私は電話を切り、携帯を鞄の中に入れようとした。その時に、一つの小さな箱に目が止まった。


私がとったあの時の行動が正しいかどうかは分からない…でも、私があの子たちを傷つけてしまった事に変わりはない。


許して欲しいだなんて思っていない。けれど…これだけは捨てることが出来なかった。あの2人からの大事な贈り物だもの。


私が夜桜になった後も、どうしても外す事ができなかった。だから母に代わりの物を譲ってもらった…


私は箱を取り出し、蓋を開けた。






ーーーーそこには、焼け焦げた跡のある三日月の形をしたネックレスが入っていた。






「ごめんなさいねーーーーーーヒロ、零」



私の声は誰に届くわけでもなく夜の暗闇へと消えていった。

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唄海(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラさん初めまして、コメントありがとうございます!オチは今のところまだ未定です。五条オチもいいですね!考えさせていただきますね。応援よろしくお願いいたします! (2022年7月31日 12時) (レス) id: 7262bd6081 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年7月24日 20時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唄海 | 作成日時:2022年6月5日 18時

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