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EP1.人気の花屋〈8〉 ページ12

「それじゃあ、みんなポアロまで気をつけて行くんだよ」


神崎がそう言うと、子ども達は、「はーい!!」と元気よく返事をして袋を受け取り店のドアの方へと向かって行った。


七海も神崎に、「私も手伝いますよ」と声をかけ袋をもらいドアへ向かおうとすると神崎に呼び止められた。


「よかったらこれを持っていっておくれ、さっき作ったご飯お弁当箱に入れておいたから、時間がある時に食べてね。手伝ってくれてありがとう、子ども達をおねがいね」


七海は、「ありがとうございます」と微笑みながらお礼を言い子ども達の元へと向かった。夜桜も荷物を持ち、「それじゃあ、行ってきますね」と神崎に声をかけた。


「ああ、行ってらっしゃい……本当に大丈夫かい?ポアロにはきっと彼もいるだろう。気付かれることはないと思うけど……」


神崎は不安そうな様子だ。夜桜は考えた後ドアの前で自分を待っている子ども達と七海が仲良く話しているのを見て笑みを浮かべた。


「心配してくれてありがとうございます。きっと大丈夫です。神崎さんがずっと私の為に私がポアロに行くことのないようにしてくれてた事……実は気づいてたんですよ」


夜桜にそう言われ神崎が、「ええ、気づいていたのかい!?」と驚くと、「神崎さんが分かりやすいんですよ」と笑った。


「それじゃあ、行ってきますね」


彼女が笑顔で言うと神崎も安心し、「ああ、いってらっしゃい」と答えた。「夜桜さん!はやくはやくー!」「ええ、行きましょう〜」と子ども達と夜桜が楽しそうにしている様子を見て、神崎は微笑んだ。


「Aくんも大人になったんだな。とても成長したよ、そう思わないかい…………蒼」と呟く。


その言葉は誰にも聞こえてはいなかっただろう……だが、窓から覗いていた小鳥が神崎の言葉に聞こえるように、チュンチュンと鳴いていた。

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唄海(プロフ) - プスメラウィッチさん» プスメラさん初めまして、コメントありがとうございます!オチは今のところまだ未定です。五条オチもいいですね!考えさせていただきますね。応援よろしくお願いいたします! (2022年7月31日 12時) (レス) id: 7262bd6081 (このIDを非表示/違反報告)
プスメラウィッチ - 初めまして、この小説は五条悟オチですか?できれば五条悟オチでお願い出来ますか?続き頑張って下さい。応援してます。 (2022年7月24日 20時) (レス) id: 6c0ddf792c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唄海 | 作成日時:2022年6月5日 18時

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