カナヲさん ページ16
「胡蝶、そいつは蝶屋敷で引き取ったのか?」
さっきから私に鋭い姿勢を寄越していた蛇柱の伊黒小芭内さんがしのぶさんに問いかけた。
「はい。この子・・・Aちゃんは伊之助くんが拾ってきたんですよ」
「Aちゃん拾い子なの!?」
知らなかったわ、と蜜璃さんが私の頬を撫でる。
「多分そうだと思います、伊之助くんがさらってきたならもっと抵抗するはずですからね・・・」
しのぶさんが藤色の目をすっと細めた。
伊黒さんが何事か呟きながら私に手を伸ばす。
「!」
ふわりと頭を撫でられた。思いのほかその手が優しくて、私はつい伊黒さんを見つめてしまった。
「・・・なんだ」
なんでもありません、の意を込めて首を横に振った。
「そうか、なら俺に構うな」
なんなんだろうこの人は。厳しいのか優しいのか、よく分からない人だ。
私は蜜璃さんの膝元を離れ、縁側へと向かった。
「・・・?」
昨日は見なかった人がいる。
髪を結わえ、しのぶさんと似た蝶の髪飾りをつけた女の人だ。
すっと隣に座ると、ゆっくりとこちらへ顔を向けた。
「・・・」
「・・・」
そしてまたゆっくりと顔を元に戻し、しゃぼん玉を始めた。
「・・・!」
ふわふわとしゃぼん玉が庭を舞い、とても綺麗だった。
私も今度、しのぶさんに道具を借りてやってみようかな、しゃぼん玉。
「A、ここにいたのか」
振り向くと炭治郎さんが立っていた。
「カナヲ、この子はAといって伊之助が拾ってきたんだ。A、カナヲはしのぶさんの継子なんだぞ・・・えっと、継子って言うのは・・・」
炭治郎さんが継子の説明をしていると、カナヲさんが私の顔を覗き込んできた。
「・・・あなた、Aって言うの?」
こくり、とうなずいた。
そこから特に何も起きなかったけど、カナヲさんのまとう雰囲気が心持ち柔らかくなったような気がした。
(綺麗な人だなぁ・・・)
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トムジェリ(プロフ) - 初めて読ませていただきました!これからも更新頑張ってください!! (2020年6月6日 0時) (レス) id: cc774e2595 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - にゃんこさん» 作者は可愛くないですが可愛い女の子が大好きなので!これからも可愛いを生産できるように頑張ります!コメントありがとうございます! (2020年3月15日 9時) (レス) id: dcec4ba55e (このIDを非表示/違反報告)
にゃんこ - 全て可愛いで構成されたお話ですね。思わず鼻血が(( 作者様自身が可愛いからきっとこのようなお話を書くことが出来るのですね!作者様は可愛い生産機ですね!!!!??? (2020年3月15日 0時) (レス) id: a2fa91df99 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - みぃさん» コメントありがとうございます!楽しんで読んでいただけているようで何よりです・・・! (2020年3月8日 19時) (レス) id: dcec4ba55e (このIDを非表示/違反報告)
みぃ - いやー読んでて楽しいですね!!!続き楽しみにしてます!この先もたくさん書いてください!みんなに愛されてみてるこっちも幸せですぅ 次の作品も楽しみにしてますので、よろしくお願いします! (2020年3月8日 12時) (レス) id: a7a20ec0a3 (このIDを非表示/違反報告)
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