第二話 鈍色の金属片 ページ10
ドフラミンゴとハインは取り分やら条件を提示し、案外すんなりと話をまとめる。
ドフラミンゴはモックタウンの支配を担当し、珍しいことに『異鉄は嬢ちゃん個人に譲ってやろう』と言った。代わりにハインは各方面の顔色を伺いながら、非戦闘員ゆえの無名を役立てて異鉄捜索を担う。さらにはドフラミンゴのモックタウン運営には口出しせず、たまに見つかる黄金も全て譲ることになった。
金が絡めば、この海賊は一層強い。
そしてジャヤには多くの金が眠っている。とて海軍活動費を思うと端金。態々集めるほどでもない。ならドフラミンゴの〈徴収による支配〉に使ってもらった方が利益は多いだろうとハインは考え、全てを譲る事にした。
つまり、海賊達は金を払ってドフラミンゴから安全を買い、ドフラミンゴは安全を約束する代わりに彼らを支配下に引きずり込むのである。
するとドフラミンゴの仲間が走りよってきて、革命軍の拠点らしき船小屋を見付けた！と教えてくれる。
ドフラミンゴは道に溢れる瓦礫を大股で乗り越え、ハインはやや小走りで後を追い、船小屋があるらしい桟橋エリアへと進んで行った。
目的の船小屋はそう離れておらず、吹き飛ばされた桟橋の近く、港の隅に建てられている。
外見はありふれた一階建ての船小屋だ。
古びた青色の壁にトタン屋根、格子のはめ込まれた窓にはツタが絡みついている。中を覗けば天井高めの一部屋が広がり、ガラス製の浮具が吊るされていた。船を出入りさせるのだろう海側の床には石畳が敷かれ、その壁側にカヌーを掛けるための竹組の棚と、オールの投げ入れられている木箱が並んでいる。石畳より一段高く作られたフローリングには、素朴な椅子と机のセット、今朝の新聞と釣り道具が置いてあった。船小屋の裏手には燃やされた本棚が転がり、まだ熱が残っている。よくよく見れば表札か看板に使われていた木板も燃やしたようで、黒焦げになったそれの表面にはうっすらとRAの文字が見られた。
撤退の手際は完璧だ。
彼らはバギーとベラミーの喧嘩に乗じて、活動の痕跡となる資料に火を付けたのだろう。燃やされた本棚の下には相当な量の書類やファイルだったものが積まれているが、炭になってしまっては読めるわけなく、革命軍の証拠隠滅は余裕を持って行われたようだった。
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poidf(ポイドフ)(プロフ) - 誤字も見付けたら教えてくださいまし (11月18日 18時) (
レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
poidf(ポイドフ)(プロフ) - どこかにルビ振る為の■が混ざってるかもしれません。混ざってないかもしれない。忘れましてよ。見つけたら教えて。 (2023年3月7日 22時) (レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
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