第二話 鈍色の金属片 ページ7
ぶわりと潮風が動きを変える。
すると急にドフラミンゴが時計塔へ上がってきて、荒れたモックタウンを見渡し、ベラミーとバギーを遠目にニンマリ笑った。
「まさかお嬢が出てくるとはなァ。」
「お世話になっております、ドフラミンゴさん。元帥から『大人しく帰れ』との伝言を預かっております。」
「ひでェな。用がなけりゃこんな所来ねェっての。」
「でしょうね。」
崩れずに残った隅石に腰掛けたハインは、どうせ知られているのだから、と少しばかり事情を話した。
「政府協賛企業の貨物船が革命軍により沈没しました。物は奪われたと見て良いでしょう。」
「政府役人は何て？」
「何も。追うほどの価値がないのか、表に出したくない面倒事なのかどちらだと思います？」
「そりゃあ面倒事だろ。フフッ！」
ハインとドフラミンゴは会議で会う仲であり、何かと近しい距離感だ。彼が政府認可の海賊である以上、ハインは友好的な客人対応で振る舞うが、圧倒的強者には近寄りたくないのが本音だった。対するドフラミンゴから見て、ハインは利用価値のある海兵の一人だ。海軍の中枢、情報局を担う局長と言うだけで、それはもう価値が高い。しかも情報提供を求めればある程度応じてくれるし、相応の対価を支払ったなら交渉も成り立つ数少ない相手である。
「政府もあれだが、革命軍もそろそろ叩きてェな。彼奴らしつこくドレスローザを狙ってやがる。邪魔で仕方ない。」
「そこまで言うとは珍しいですね。」
「まぁな。あいつら夏の羽虫よりしつこいぜ。とんだ執着心だ。」
争い続ける海賊達はモックタウンを走り回り、誰かの流れ弾がハインの方へと飛んでくる。それを簡単に叩き落としたドフラミンゴは、喧しいなぁ…と呟いた。
「あれは？」
「貸してくれって言うから貸した。」
「商売前の名売り役に丁度いいと。」
「海軍的には遺憾の意ってか？」
「個人的には構いません。島民とは仲良くして下さいね。お世話になっている人達なのです。」
「マカラな。嬢ちゃんの客を荒らすつもりはないから気にすんな。あぁそうだ。いい物やろうか。」
ドフラミンゴはポケットから何かを取り出すと、ハインの手にぽとりと落とした。
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poidf(ポイドフ)(プロフ) - 誤字も見付けたら教えてくださいまし (11月18日 18時) (
レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
poidf(ポイドフ)(プロフ) - どこかにルビ振る為の■が混ざってるかもしれません。混ざってないかもしれない。忘れましてよ。見つけたら教えて。 (2023年3月7日 22時) (レス) id: 24e80c86dc (このIDを非表示/違反報告)
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