ページ ページ26
「俺も澪と一緒にいたイ。お前はそこまでじゃないかもしれないけド、俺は一分でモ、一秒でも長く一緒にいたイ。好キ、好き好き好キ」
言葉が洪水のように溢れてきて、それを多くはない日本語の語彙に置き換え、口に出す。口に出した端から立ち上って溶けていく気がする。全部本心のはずなのに自分で自分が信じられなくて、喉を押さえつけられるような感覚がして、不意にうずくまりそうになる。
「ミヒャ、ミヒャ。……僕は側にいるよ。だからさ、ミヒャも……」
「……ウン」
澪の声は、救いと呼ぶ他なかった。そっと離れると、ミヒャエルは澪の頭をくしゃりと撫でて、なんでもなさそうに口を開く。
「……寝よっカ。明日何時?」
「ん〜、ミヒャん家からだったら六時半に出れば間に合うかな」
「エ? ヤバ」
呆気に取られたようなこの一言に澪がくすくすと笑い出して、つられてミヒャエルも笑ってしまう。
「ア、てかパジャマ着ル? 俺のだからちょっとデカいと思うけド」
「じゃあ、お言葉に甘えて」
ミヒャエルに当然のように手を取られると、澪は少しどきりとする。しかし今度はただ手を引きたいだけらしく、そのままスタスタと室内に連れ戻される。物足りないような、安心したような気持ちで、澪はミヒャエルの手を握って歩く。
「ア、タバコも灰皿も忘れタ」
廊下でミヒャエルがこう言って、しかし
「でもいっカ」
と笑うと、寝室のドアノブに手を掛けた。
続く お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
← (6/28記)
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
和癒 - ここりどらすさん» 遅くなってしまい、申し訳ないです!!更新いたしました!本当に申し訳ございませんでした! (2022年9月20日 13時) (レス) id: c16c5fa71a (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - アルフさん» ワ、ありがとうございます! 和癒さんの澪くんは【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/2nayu2/】、うちのミヒャエルは【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/kokoridora6/】にCSがあります…! (2022年8月3日 7時) (レス) id: 29de6c45fc (このIDを非表示/違反報告)
ここりどらす(プロフ) - 和癒さん» 全然!! 私も最近学校の部誌作るのでてんやわんやしてて… 来週までには落ち着くのでそしたらまた書きます! (2022年8月3日 7時) (レス) id: 29de6c45fc (このIDを非表示/違反報告)
アルフ - すみません、、とても面白かったのですが、出演しているキャラクターの設定などはありますか?いきなり質問すみません! (2022年8月2日 10時) (レス) @page21 id: c16c5fa71a (このIDを非表示/違反報告)
和癒 - ここりどらすさん» 遅くなってしまい、申し訳ないです!! (2022年8月2日 8時) (レス) id: f702b299fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ