女武将とクラスメイトの休み時間【新・信長公記】【短編集】

失恋と旗印は紙一重？ ページ2

吉岡視点

腹が立つ。

やっぱり他の奴らと同じだった。

『…はよ』

いつもより小さい声で挨拶する。

気づくわけないか。

『はぁ…』

豊臣「何ため息ついとんの？ってその髪どうしたん！？」

『！！』

下を向いていれば話しかけられた。

そういえばこいつはそういう奴だった…。

腰ぐらいまであった髪をバッサリボブにしていれば嫌でも目に入る。

うちが席につけばわらわらとクラスメイトが集まってきた。

前田「マジで短ぇじゃん…何があったんだよ？」

『別に』

上杉「女性の命とも言える髪を切っているんだ、それなりに理由はあるだろう？」

明智「あれ、Aさん…泣きました？目元が赤いですよ…」

みやび「なんですかこれは…」

豊臣「嗚呼みやびちゃん。実はな、Aちゃんの髪が短くなってん」

みやび「え？本当だ…一体何が…？？」

皆のその心配が、優しさが心に染みて自然と涙が溢れ出した。

『う、ぐっ…ひっぐ…』

明智「Aさん！？」

上杉「やはり何かあったようだ…」

前田「どいつにやられた？」

豊臣「まだ人って決まった訳やないやろ！！」

みやび「もしかして…失恋ですか？」

「「「「えっ！？！？」」」」

そうか、みやびちゃんには話してるんだった。

声が出せない代わりに頷いて肯定する。

豊臣「待って、Aちゃん好きなやつおったん！？」

『2のAの、○○って人…』

前田「よしぶっ飛ばそう」

黒田「まぁまて。まずは何があったか聞くべきだ」

明智「話せますか？」

うちはゆっくりその経緯を話した。

『○○って人は、うちが特進やけんって差別せんじ優しゅうしちくれた。やけん思い切っち告白したんやけど…』

上杉「断られたんだね？」

今でも思い出したくない。

断るだけだったらまだいい。

断り方が最悪だった。

豊臣「どんな断り方されたん」

『お前んごたる単純な奴たあ付き合いとねえ…って…っ！！』

余計にボロボロ涙が出てくる。

そんな時、放送が入った。

魔村「公認旗印が出ました。旗印提出は、2年A組の○○くん」

そいつの名前が出てきた。

必死に泣くのをやめて、映像を見る。

魔村「○○くんの出した旗印はこちらです」

○○「15分内に吉岡Aを泣かす」

「「「「はぁ！？」」」」

豊臣「アイツがそうやろ！？」

『おう…』

前田「最低な野郎だ…」

みやび「なんたる所業…！私も許せません！」

皆に頼ってばっかじゃダメだな。

『いい。うちが直々に行っちゃん』

失恋と旗印は紙一重？→←みやびちゃんとカップリング事情(？)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す