episode.67 ページ17
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阿部side
ホッと肩の力が抜けたのと同時に自覚するのは、とてつもない怠さと嫌な眠気のような感覚。
昨晩のベーサルも今朝のボーラスも、どうして毎日やってるのに忘れちゃったかな。
気付いてしまったら最後、どんどん強く感じる不調は、側にやってきた佐久間にも伝わってしまったようだった。
『ちょっと休みな』
かなりしんどいから、その言葉はありがたいと思いつつも、やっぱりみんなの前で注射を打つ勇気はなかなか出なくて。
どうしようかとたじろいでいると、ひとりだけでもいいから隣にいちゃダメ？と尋ねられた。
この先もみんなと一緒にいる、そう決意をしたのならば、避けては通れない道だ。
正直心臓はバクバクだけど、きっとそれは意を決して聞いてきたのであろう佐久間だって同じだと思うから。
「…ひとりずつなら、」
残るメンバーに背を向けるように腰掛けたソファー、隣には佐久間がいる。
何も悪いことをしていないのに、トイレに隠れてコソコソ注射をしていた日々を思うと、少しずつ心の靄が晴れるような気にもなる。
加えて、まるで捨てられた子犬かのように不安げな顔で小さくなってる佐久間を見てると、なんだかこっちの気が抜ける。
いつも通り指先をパチンとして血を出すと、あからさまに『うっ』って顔になってる。
佐「ねぇそれ、痛くないの、、？」
「んー、その時によるかも。今はね、結構痛かった(笑)」
今までの俺なら、『全然痛くないよ、大丈夫』って言ってたんだろうけど、なんでか今日は変に取り繕おうとは思わなかった。
専用の機械に指先の血を吸わせると、数秒でピッとなって現れる数値。
「、、うわぁ、412、、」
せっかく隣にいてくれてるんだから、知ってもらえたほうが良いのかなと思って、ちょっと病気のことを話しながら手を動かす。
「これね、佐久間たちだと、100とかそれくらいなんだよ。でも俺は、注射しないとどこまでもこの数値が上がってっちゃうの。」
晴れない表情で、うん、とだけ呟いた佐久間。
そりゃあ、なんて返したら良いか分からなくもなるよね。
数値を確認したから、今度は注射を取り出してダイヤルをカチカチと回していく。
取り付けた針の先からちょっと中身を飛ばして空打ちすれば、あとはお腹に刺して注射を打つだけ。
黙ってジッと見つめてる佐久間に対して、なんとなく俺も
上手い言葉が見つからなくて、同じように黙ったまま処置を終えた。
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ストロベリー - 3早く読みたいです 頑張れ〜 (2023年4月2日 21時) (
レス) id: 78d64c6e31 (このIDを非表示/違反報告)
円周率 - いつも楽しく読まさせていただいています。3のほうも読みたいと思っているのですがパスワードを教えてもらうことは可能でしょうか？ (2023年3月8日 6時) (レス) id: 6ee190949a (このIDを非表示/違反報告)
みどり - 続き気になるので、楽しみに待ってます (2022年11月26日 1時) (レス) @page45 id: 1e919caffa (このIDを非表示/違反報告)
くろ(プロフ) - いつも更新楽しみにしてます。ちゃんと他のメンバーに支えられながらライブできるといいですね、、、 (2022年7月25日 1時) (レス) @page38 id: 436e54c814 (このIDを非表示/違反報告)
あお - このお話大好きです！更新待ってます、頑張ってください！ (2021年10月13日 15時) (レス) id: b9c7362213 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年5月23日 22時
