episode.6 ページ6
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佐久間side
楽屋へ戻ると、待ってましたと言わんばかりに声が上がった。
向「さっくん!めめ!阿部ちゃんは???」
「大丈夫、ちゃんといたから落ち着いて。
もう暫くしたら戻ってくるって言ってたけど、その前にみんなには話しておくね?
阿部ちゃん、熱出しちゃってるみたいなんだ。」
本人は隠すつもりはなくてこの後みんなに話そうと思っていたこと。
舞台には立てると言うから、その代わり絶対に無理はしないと約束してきたこと。
それをみんなに伝えた。
宮「熱って、どれくらいあるの?」
目「37.7℃ありました。喉も痛めてるみたいです。」
ラ「阿部ちゃん、大丈夫かなぁ…」
みんな心配して落ち着かない様子だったけど、リーダーの一声で我にかえった。
岩「もう一回最初から出番チェックして、いつ誰が一番阿部の近くにいるか確認しよう。それぞれその時近い人が気を付けて見ててあげて。」
大量の水を使う演出や、誰よりも汗をかきそうな衣装。
心配な点はたくさんあったけど、それぞれがサポートできるように念入りに確認した。
それから暫くして、賑やかな楽屋に阿部ちゃんが戻ってきた。
「阿部ちゃんごめん、言っちゃった!」
阿部ちゃんが少しでも気負わないように、明るくおちゃらけてみた。
「佐久間、ありがとう。みんな聞いたと思うけど、いつも通りできるから、こんな時にごめんね。」
阿部ちゃんは眉毛を下げて申し訳なさそうにしていた。
ラ「僕、この場面は阿部ちゃんの見張り役するの!」
向「あ、ラウそこちゃうやん!そこは俺って言ったやん!」
岩「お前らさ、さりげなくやれっつっただろ!」
阿部ちゃんが気まずくなってしまわないように、康二とラウが雰囲気を明るくしてくれ、それを見てる照も笑ってた。
館「大丈夫って言うんだろうけど、公演中に何かあったら心配だし、ちょっと横になってれば?」
相変わらず落ち着いている館さんがそう声を掛けると、珍しく素直に応じた。
「こんなうるさいところじゃ休まるものも休まらないけどね。笑」
そんな冗談が言えるくらいの余裕はあるのだと、少し安心した。
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あお - 続きが更新されるのを楽しみにしてます。 (2021年5月6日 1時) (レス) id: 5edf3afd73 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 苦しくて泣いちゃうけど読み応えあります、大好きな作品です。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - はじめまして!この作品を愛読させて頂いているものです。ほんとにお話を読むたび苦しくなるのですが、何回も読み返すくらい大好きな作品です! (2021年4月9日 0時) (レス) id: 55f4a21869 (このIDを非表示/違反報告)
恋した月(プロフ) - 初めまして、このお話が好きすぎるのでコメントさせてもらいます()どの描写もabらしくてSnらしくて本当に美しいくて苦しくて大好きです。これからも応援しています。 (2021年2月13日 17時) (レス) id: d6f1a4b68b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しぃ | 作成日時:2021年1月26日 12時