episode.45 ページ45
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阿部side
たった一晩で何が変わる訳でもなく、心も身体ももう頑張れなくて、仕事を休んでしまった。
もともと今日は午前中にYouTubeの撮影があって、午後は病院だからスケジュールは入っていなかったんだけど、そのYouTubeの撮影も耐えられる気がしなくて、スタッフさんに頭を下げて別なメンバーに変えてもらった。
昨日の翔太の言葉がずっと頭の中をぐるぐるしている。
ルール違反、か。
ルールって、なんだ。
みんなの心配や気遣いに対して、ルールを守るように言うことを聞いてくれる身体だったらどれだけ良かっただろう。
持ち主でさえ思うように操れないんだから、嫌になる。
スケジュールの空いた午前中もこの怠い体では何もできず、気が付いたらもう病院へ向かう時間になっていた。
怒られるかもしれない恐怖心と罪悪感か、それとも異常値を示しているであろう数値からくる動悸か、胸がバクバクと気持ち悪い。
周りを見渡しても相変わらず年配の人しかいないこの外来は、何度来ても孤独になる。
そんな時、俺の心を見透かしたかのように声を掛けてくれたのは、外来の看護師さん。
看「亮平くん！調子はどう？」
歳はお母さんくらいのベテランさんで、病気のことを気兼ねなく話せる人のひとり。
SnowManの阿部亮平としてではなくて、まるで息子のように接してくれる看護師さんを前にすると、強がっていた心は簡単に崩れ、言葉よりも先に涙が溢れた。
「っ、、ごめ、、なさっ、、おれ、っ、、ぜんっ、ぶ、やに、なって、、なにも、っ、、してなっ、」
なにもしてない、それで全てを察したはず。
それでも、少しも責めることなく優しく背中をさすり続けてくれる。
看「よくここまで来てくれたね、偉いよ、頑張ったね。」
小さな子をあやすようなその言葉も、今はすごく温かい。
『倒れる前にここに来てくれて本当に良かった』
こんなに体調が悪いのは紛れもなく自己判断で注射をやめた俺のせいなのに、先生までもがそんな風に言うから、罪悪感でいっぱいになる。
それと同時に、自分の命が置かれている状況を改めて感じて、怖くなった。
医「阿部くん、入院しようか。」
あの時あんなに拒否したはずの入院だったけど、今はとにかく逃げたくて、縋りたくて、俺は素直に頷いた。
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あお - 続きが更新されるのを楽しみにしてます。 (2021年5月6日 1時) (
レス) id: 5edf3afd73 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 苦しくて泣いちゃうけど読み応えあります、大好きな作品です。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - はじめまして！この作品を愛読させて頂いているものです。ほんとにお話を読むたび苦しくなるのですが、何回も読み返すくらい大好きな作品です! (2021年4月9日 0時) (レス) id: 55f4a21869 (このIDを非表示/違反報告)
恋した月(プロフ) - 初めまして、このお話が好きすぎるのでコメントさせてもらいます()どの描写もabらしくてSnらしくて本当に美しいくて苦しくて大好きです。これからも応援しています。 (2021年2月13日 17時) (レス) id: d6f1a4b68b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年1月26日 12時
