episode.20 ページ20
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ラウール side
阿部ちゃんを残して楽屋に戻ると、なんとも言えない空気が漂った。
康二くんが声を上げて泣き出すと、普段あまり涙を見せないメンバーも涙を滲ませた。
康「っ、、阿部ちゃんおらんなんて、俺嫌や、、」
照「そんなのっ、、俺だって、、嫌だよ、、、」
照くんまでもが泣き出してしまった時、やっぱり頼れるのは最年長のこの人だった。
深「今日までみんなで頑張ってきたんだから、悔しくない人なんていないよ。
だけど、今一番辛いのは誰？
俺たちが泣いてちゃいけないよ。
阿部ちゃんを不安にさせないためにしっかりしないと。」
きっとふっかさんだって不安で仕方ないだろうに、目に溜めた涙を流すまいと上を向いてそう言った。
そこからの立ち直りは早かった。
と言うよりも、いつまでも泣いている暇なんて無かった。
照「基本は去年の南座、8人でやってた時のをアレンジしよう。
そうなると、阿部のポジションにラウが入ることになるけど…」
「できます！南座の映像は何回も見てるから。」
去年、みんなに早く追いつきたくて、齧り付くように何度も何度も見た南座公演の映像。
誰のポジションに入れと言われたって大丈夫なくらい覚えている自信がある。
途中からの参加で不安な僕を助けてくれた、優しくしてくれた阿部ちゃんに僕ができること。
開演時間が迫る頃、ようやく滝沢くんのOKが貰えた。
衣装に着替えて舞台袖に向かう前、僕は一人で阿部ちゃんの所へ向かった。
「阿部ちゃん…」
静かにドアを開けるとやっぱりまだ苦しそうにしていて、でも僕に気づくと小さく笑ってくれた。
阿「、っ、ど、、した、、ラウ、、」
「今日ね、去年8人でやった南座のをアレンジするの。阿部ちゃんの代わり、僕がやるから、任せてね。」
阿「こん、な、、たん、、じかんで、、おぼ、えた、、の、？ごめ、、ね、、」
「舞台袖で泣いてた去年の僕とは違うんだよ！
それに、去年は阿部ちゃんが沢山助けてくれた。
たまにはお兄ちゃん達の役に立たせてよ。」
阿部ちゃんが少しでも楽になればと、明るく振る舞った。
本当は一緒に舞台に立ちたかったし、阿部ちゃんのファンの方に申し訳ない気持ちもある。
不安じゃ無いなんて言ったら全くの嘘になるけど、やるしかない。
「阿部ちゃん、行ってくるね。」
阿部ちゃんは力の入っていない手で、僕の頭をぽんぽんとしてくれた。
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あお - 続きが更新されるのを楽しみにしてます。 (2021年5月6日 1時) (
レス) id: 5edf3afd73 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 苦しくて泣いちゃうけど読み応えあります、大好きな作品です。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: 08a263e11b (このIDを非表示/違反報告)
藍華(プロフ) - はじめまして！この作品を愛読させて頂いているものです。ほんとにお話を読むたび苦しくなるのですが、何回も読み返すくらい大好きな作品です! (2021年4月9日 0時) (レス) id: 55f4a21869 (このIDを非表示/違反報告)
恋した月(プロフ) - 初めまして、このお話が好きすぎるのでコメントさせてもらいます()どの描写もabらしくてSnらしくて本当に美しいくて苦しくて大好きです。これからも応援しています。 (2021年2月13日 17時) (レス) id: d6f1a4b68b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しぃ | 作成日時：2021年1月26日 12時
