Dead World【Shota.W】3

＊ ページ18

Side瑞稀


A「こちらに死因を詳しくお書きください」




A「お友達を庇ったんですね。

でしたら、こちらの挺身申請書もお書きください」


瑞稀「はい。

……俺、気付いたら、体が勝手に動いてて。

でも、後悔はしてません。

あいつが生きられるなら俺は十分です」


A「かなり凄惨な事故だったみたいですね。

現時点での死者は10人みたいです」


瑞稀「歩行者天国に突っ込んできたんですよ」


死んだというのに結構淡々としてると思う。

自分で言うのもなんだけど。


「……み、ずき…………？」


後ろから声が聞こえた。


顔を見なくても分かる。

この声……。


瑞稀「健人くん……？

な、なんで…………」


そこには、俺が庇ったはずの健人くんがいた。


瑞稀「なんで！？」


健人「……ごめん。

瑞稀だけ逝かせるなんて、できない……」


自ら、命を……？


瑞稀「俺が庇った意味が無いじゃん！！」


A「井上さん。

役所内ではお静かにお願いします」


瑞稀「……すみません」

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