不良少女は保護対象 【名探偵コナン】【降谷零】

二十六日目 ページ26

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そんなはずがなかった。
俺の車の後部座席で若作り女と一緒に楽しそうにはしゃぐ彼女は、どこからどう見ても俺のよく知るあの子。ただし今まで見た事のない猫かぶりモードらしい。ちなみに俺はデパートでの荷物持ち要員だ、いつもの事だがな。






『見てみてクリス、とっても可愛いよ〜！』



｢…ふふっ、そうね、似合ってると思うわよ。バーボンも喜んでるわ｣



『髪飾りはどれがいいかなぁ？
ピンクのお花と、白のお花！』



｢そうねぇ、なら間をとってこっちのリボンなんてどう？花はブローチで足せばいいわ｣



『わっ、クリスセンスいいーー！！！』



｢…………ちょっと、あなた達僕で遊んでません？｣






先程から着せ替え人形のごとく何着も服を着せられて、挙句の果てには大きいくまのぬいぐるみを持たされて散々な目にあったばかりだ。
本気なのか知らんが『ばぁぼんかわいいね』って彼女はニコニコ笑顔だし、ベルモットに至っては笑いをこらえきれていない。俺はこんな道楽に付き合っていられるほど暇じゃないんだが？？








｢それ買ってあげましょうか？｣


｢結構です！！！｣


｢あらそう。それは残念｣






朝から晩まで連れ回されて、両手で抱えきれないほどの荷物を持たされるところまでは予想の範疇だった。だがまさか彼女と三人て高級レストランで食事をとることになるとは思わなかったし、それこそ昼過ぎくらいには解放される算段だったんだがな。
俺の想像以上にベルモットは彼女を気に入っているらしい。






｢このまま送って行ってもらいなさい｣


｢……僕がですか？｣


｢変な気起こすんじゃないわよ？｣


｢……了解｣

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