不良少女は保護対象 【名探偵コナン】【降谷零】

十九日目 ページ19

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『なに？今日は別に悪いことしてないけど』

「たまたま通りかかっただけさ。
……それとも、後ろめたい何かがあるのかい？」

『めんどくさ……』





放課後、繁華街から一歩外れた静かな道で偶然彼女に会ってしまった。……確かに会えればいいなと思ったが、こうも上手くいくとはさすがに予想外だな。





「君はもうすぐ受験だよね……こんな所で油を売っていていいのかい？」

『……あんたに関係なくない？』

「親のコネでも使うつもりかい？大学はそんなに甘い世界じゃないと思うけどなぁ……」






煽って情報を聞き出すつもりだった。このくらいの年代の子なら、少し挑発すれば反抗して情報をバラバラ落として言ってくれる。……だから今回もそれを少しだけ期待した






『……大学に行くことが全てなの？大学に行くことが偉いことなの？勉強が出来たら偉くて学歴の無いやつは弱者なの？』

「……え？」

『……あんたみたいな学歴人間にはわかんないかもね。"全ては君の将来のため……"とか"良い大学を出ないと良い生活ができない……"とか"社会的弱者になるな"とか




大人って綺麗事並べるのが大好きだよね』



あまりに淡々と、冷淡に話すものだから突っ込む余地すら与えられなかった。完全に彼女に振る話題を間違えただろう。







「いや、決してそういう意味で言ったわけじゃ……」

とにかく挽回しよう、そう思って口を開いた時には、彼女はもうそこにはいなかった。

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