Scene2 少女 ページ2
「俺は紅シュウ。今年で13歳。ニューヨークブルズってチームのブレーダーなんだ」
木かげで、シュウは少女の愛犬、クッキーの薄茶色の毛を撫でながら言った。
「私はA。同い年だね。あの、ブレーダーって…?」
「ベイブレードをする人のことだよ」
「ああ、昔、クラスのみんながやってたわ、ベイブレード!」
彼女はポンと手を打った。
Aはクッキーと同じ薄茶色の髪をしていて、瞳の色は澄んだ赤だった。
「そうなんだ?じゃあそのみんなは俺のこと知ってるかも」
「 うん」
ピョコンと、クッキーがシュウの膝から頭を起こした。
「それじゃあ、ニューヨークには、ベイブレードをするために来たの?」
「そう。2年前からね。君は?」
「私は、お父さんが、会社のニューヨーク支部に異動になったから、ついてきたんだ、家族で。でもまだ来たばかりだから、わかんないことがほとんどだけどね」
クッキーは機嫌が悪いのか、プルプルと頭を振ってAの膝へ乗り移った。
「おっと。嫌われてるのかな?」
「はは、クッキー、やんちゃなくせして人見知りだから。意気地なしだぞ〜、クッキー」
「かわいいね」
言ってからすごく恥ずかしい気がして、シュウはあわてて
「く、クッキー!」
と加えた。
するとAはクスッと笑って、
「シュウ君って、おもしろいね」
と言った。
シュウにはその笑顔がひどくまぶしいものに感じられた。
Aは、毎週日曜日の午前10時にここに来ると言った。
2人は再会を期して別れた。
シュウも、Aも、もう今から、ひそかに来週の日曜日を心待ちにしていた。
ほらほら、あの人から言いたいことがあるみたいですよ☆
シスコ「お前はオレだけ見とけばいいんだよ」
18人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
通行人 - ふと思い出して、久しぶりに来てみました。やはり引き込まれる。 (2019年9月5日 19時) (レス) id: 7f966a9c98 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央(プロフ) - 美桜さん» ありがとうございます!少ない脳を振り絞って書いただけありました(笑) トプ画のことまでお気づきとは…さすがです! (2019年2月15日 23時) (レス) id: a6baa0d096 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - あと、トプ画ですが、人物を抜いてオーダーされていましたね!そこがとても内容と合っていてさすがだな〜とセンスに感動しています 次作品も楽しみに待っていますね〜^^ (2019年2月15日 22時) (レス) id: 02de3cf915 (このIDを非表示/違反報告)
美桜(プロフ) - 素敵な作品をありがとうございました!!!フブキもシュウも彼等らしい爽やかな感じで、読んでいて温かくなりました^^とても読みやすい文章に文間、ストーリー構成、とても勉強になります!私も瀬央さんを見習って、風景と心理描写をシンクロさせたラストへ進みたいです (2019年2月15日 22時) (レス) id: 02de3cf915 (このIDを非表示/違反報告)
瀬央(プロフ) - みずきさん» そう言ってもらえるととても嬉しいです。ベイバをこよなく愛してるから、学校の作文より本気になって書いてるかもしれません(笑) (2019年2月12日 23時) (レス) id: d89c1d2e97 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ